不動産の価値が分かるようになろう。:家の購入記1
前回までで、家を買うことを決意した僕は、まず、
「不動産の価値が分かるようになること」
が第一歩だと思った。
家を買う理由は様々だし、家を売る理由も様々だと思うけど、不動産の価値がどのように決まっているのか?を知ること、その業界で流れているロジックを知らないと、話の土俵にも上がれない。
「うーん、だいたい、これだとこのくらいでは?」というロジックを知っていないと、高値づかみをしてしまうし、価格交渉をするにも相手にされないだろう。
ということで勉強をはじめた。
不動産の価値=土地の価値+建物の価値
ヤフー不動産などの不動産ポータルサイトでは分かれて表示されていないけれど、サイトで表示されている金額、つまり、家の価格は土地の価格と建物の価格の合計になっていて、この2つには大きな違いがある。
土地は壊れない
当たり前だけど、土地は、何年経っても何百年経っても、土地のまま。
何万年となると、その土地がなくなっちゃうこともあるかもしれないけど、我々の寿命の間に、その土地がなくなっちゃうということは、ほぼない。
土地っていうと、「土」って感じだけど、不動産の勉強をしてみると、どちらかというと「そのエリア」というか「空間」というかが、自分のものになるという感じっぽい。
だから、価格の変化というのは、イコール、「市況の変化」のみとなる。
つまり、周りの変化で、例えば、その土地の周辺が寂れてしまった、もしくは栄えてきた、地震があったとかなどの事情、つまり「人気度」や、
インフレやデフレ、不動産投資の活況さとか、土地にまつわる政策とか、そういった経済面の浮き沈みとなる。
難しく言うと、「土地は減価償却がない資産」となる。
建物は壊れる
逆に建物は時間とともに壊れていく。
だから、時間とともに価値を失っていく。
「俺の家はまだまだ新品同様だ!」
「うちの家はぼろいから」
とか言っていても仕方がないので、目安が定められている。
耐用年数ってやつで、木造は22年、RCは47年で価値が0になるとか法律で決められている。
もちろん、その年数で住めなくなるわけじゃないし、実際には個別で判断されるけど、一般的には「価値がほぼ0と判定されますよ」というわけだ。
ただ、多かれ少なかれ、建物は、土地と違って、どんどん価値が下がっていく。
だから、土地値比率が高いものを買おう
とすると、同じ3000万の木造住宅の物件でも、
A、建物2000万+土地1000万
B、建物1000万+土地2000万
ならば、22年後はAは1000万で、Bが2000万で売れそうということになる。
もちろん、こんなに単純化できる話ではないけど、これがベースで、そこから個別の物件について肉付けが行われるというわけ。
それなら、できるだけ土地値比率が高い物件を買っておけば、売却するときに損することも少ないよね、ということになる。
運のいいことに、土地値比率以下で売り出されている物件を見つけたら、売るときには買ったとき以上の値段で売れるのだから、家賃は永遠にタダになる、なんてこともある。
問題はその判定が難しいということ
問題なのは、それらの価格を出すのが難しいということ。
「土地値はいくらなんだろう?」
「建物はいくらなんだろう?」
というのが分からないし、正解はないのだけど、近づくための方法がいくつかある。
1,原価法
これはこの建物をもう一回作ったらどのくらいになるの?という観点から計算するもの。
2,収益還元法
そのエリアの家賃から、建物の利回りを計算して、物件の価格を出すというもの。
3,取引事例比較法
そのエリアで似たような物件の過去の売買事例から、「これだったら、このくらいじゃない?」と判定するもの。
というんだけど、分かんないですよ。
原価法はよくよく建築のことを知っていないと出来ないし、収益還元法はアパートとか買うときならいいけれど、住宅は戸建賃貸が少ないので計算しづらい。
取引事例比較法は、レインズを僕達一般消費者は見られないから分からない。
それにプロがそういう手法を用いて判定したって、「どのプロもこの価格で1万円単位で一致しました」というようにならないのが不動産。
だから、僕のような素人の買い手は「だいたいの目安が分かればいい」と思った。
「だいたいの目安を知るために」
「売っている価格から積算する」
まず、最初に、売っている価格を見てみることにした。
売っている価格というのは、「このくらいでは売れるんじゃないの」の上限値とも取れる。
だって、売るときは、「このくらいの金額では売れそうです。値下げを要求されることも考えて、少し上の金額で出しましょうか?」となるでしょう?
だから、その上限金額を見てみることにした。
家をほしいエリアで、土地だけで売られているところの価格をチェックする。
同じエリアで、家の価格をチェックする
1と2を引き算すると、だいたいの建物の価格が出る。
これを数多くやると、そのエリアの土地と建物の大体の価格が分かるようになる。
「路線価から土地値を推し量る」
さっきは上限値だったので、今度は下限値から推定をしてみた。
路線価は調べればすぐに分かるので、路線価を調べる。
公示価格(国が土地を買うときの価格)の八掛けが路線価だと言われているので、路線価が分かれば、公示価格が分かる。
そこで、この公示価格と、上の売られている土地の価格を比べると、どれだけ乖離しているか?が分かる。
また、この公示価格を1.1倍〜1.2倍したものが実勢価格(市場価格)の目安とも言われるけど、人気度によって倍率は変わる。
少なくとも、それがその土地値の下限値とも言えるし、実勢価格と売出し価格が離れているということは、「おっ、この地域は今、アツいのかな」という感じにもなる。
補足資料:
補足資料として、国交省がやっている不動産情報ライブラリなども見て、それらの情報を補足していった。
これを定規として、相場を見ていく
これで一定の目安、つまり、物件を見るうえでの定規ができたので、今度は、これを利用して、相場を見ていくことになる。
不動産は一点もの。
同じ立地に違う建物は建てられないから、それぞれの物件はそれぞれに固有の事情がある。
今度はそれらの事情を見ていったときのことを書きたいと思う。
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