見出し画像

「物件の立会」から「物件引き渡し」では何をするのか?:住宅購入記22

この「購入記」もいよいよ終盤。

以下は、新築建売の場合に限られるかもしれないけど、契約から引き渡しまで、何をするのか、どういうふうに行われるのか?を書き残しておきたい。


物件が販売サイトから消えない

前回、契約後に売り主の担当者が「今日、戻ったら、サイトから物件を消します」と言っていたのに、その後2日経っても、まったく消えない。

「おいおい、マジか」と心配になる。
このままずっと販売が続くようなら、僕らは騙されている可能性がある。
確率が低いのに、いきなり詐欺業者をつかんでしまったのか?と一抹の不安がよぎる。

あれだけ意気込んだ感じで、「はい、今日、事務所に戻り次第、サイトから消します」とキメ顔で言っていたのに、なんなんだ、あいつは。
あいつがあの日、面倒になっただけならいいが・・・、なんて思ったりする。

とはいえ、2日程度じゃ、まだまだ手違いの可能性がある。
「契約しても、販売サイトから消えないじゃないですか?僕は騙されているのでしょうか?」なんて、ちょっとパラノイヤ過ぎる。
引き渡しを終え、全額を支払った状態でこれならヤバいが、まだまだ手付金くらいだ、僕にも余裕がある。

それに騙すなら、全額を支払った後だろう。
それまでは普通の業者以上に、きちっとやるに違いない。
手付金だけをだまし取るのに、あれだけ大掛かりにやるのは、ちょっと割に合わない・・・と思う。

ということで、その後も見張り続ける。
すると、数日後になって突然サイトから消え、現地の販促グッズも撤去された。

よしよし、これで「とりあえず、誰かが買った(多分、僕らが)」ということは分かり、一安心した。

物件の立会

要するに、傷のチェックなどの引き渡しに向けた最終確認。

物件の契約から、引き渡しの間のどこかで行われる。
引き渡しまでに直す必要があるので、引き渡しまで一週間〜2週間程度余裕を見て、日時が設定される。
僕らは契約日に、僕らと売り主さんと仲介さんの3者ともに空いている日をすりあわせて決めた。

当日は、引き渡しに向け、住民票など必要な書類を渡すとともに、現地を3者で周り、傷や不具合のチェックをする。

すでにわかっていた箇所を言うとともに、僕らにとっては、傷なのか仕様なのか分からない項目を聞いたりした。

傷の箇所には養生テープみたいなテープを目印に貼っていくのだけど、売り主さんの担当者も、仲介さんも、僕らが言っていない箇所も、結構、指摘してくれて、勝手にバンバン貼っていく。
感謝するとともに、「ああ、そこまで小さいことでも言っていいんだ」とも感じた。

まだ引き渡し前で、ガスなどは通していないので、分からない箇所もある。
売主さんによるのかもしれないが、そのため、引き渡し後も何か気づいたら◯日間は言ったら直してくれる、ということだった。

それだけでこの日は終了となる。

数日後、というか、契約してからは毎日のようにドライブして家を見に行っていたけれども、職人さんが黙々と作業していたのを目撃する。

おお、無事にオプション工事なんかもしているようだ。
後日、確認してみると、網戸もついていて、窓からのぞくと、その他にも僕らが頼んだオプション工事の内容が完了しているのが見受けられた。

これで、僕らが買い主である可能性がさらに高まった。
まあ、もうほとんど心配してはいなかったけど、確信は極度に高まる。
良かった良かった。

引渡日

ここからはドキュメンタリータッチで書いていく。

約束の時間の前

いよいよ引き渡し、つまり、残金を払う日が来た。

可能性は低いものの、その時に、お金が足りなかったらどうしよう・・・なんて心配になったりする。
まあ、そんなことになったら、家どころじゃないな・・・なんて、想像してみたりする。

一応、最終的な記帳をし、近くの喫茶店へ。
ここで、約束の時間の15分前くらいまで時間を潰すことにした。

カツサンドなんかを食べたような気がする。緊張感もあってか、ここのカツサンドのボリュームからか、2人でひとつをはんぶんこした。

「うわあ、ついにこの日が来たな」とか話しながら、アイスコーヒーをおかわりしたような気がする。

買い付け申し込み、契約、立会・・・と、確かに一歩ずつ進んでいたのだけど、さほどの大きな決断をした、大きな金額を遣う、実感はなかった。
一番実感があるのは、この引き渡しなんだろう。
その証拠に緊張感がある。
これで本当に戻れないんだと感じる。

今までは我々の方が買い手として主導権があったが、今日ばかりは相手側や仲介さん側に主導権が移る、そんな気さえする。

手続きとの不安とともに、気軽な賃貸生活ともお別れ、メンテナンス地獄の始まり・・・、そんな考えすら浮かんできたりする。

いよいよ15分前になり、「さあ、行こう」と席を立つ。

銀行に到着

銀行に到着すると、なんともう事前に仲介さんが待っていてくれて、銀行の受付をしていてくれていた。
とても優秀。

行って話せば分かるだろうとは思っていたけど、はじめてのことなだけに、銀行でどんなふうになるの?と思っていたから、良かった。

そこからはカツアゲのように、売り主、仲介さん、司法書士さんなどが僕らを囲み、入金を迫る。

やることはまあ、要するに、「お金の支払い」なので、結局は、振込作業が主になるのだけど、もう、流れ作業のように、「次はこちらをお願いします」「次はこちらを」というように、急かされつつ、進んでいく。

総額は見ているものの、振込先は色々違うから、何度も振込処理を行わなければいけないし、金額も大きいだけに怖かったが、ここは情けないようだが、銀行員の付き添いが頼もしかった。

もう少し実感が欲しかったが、そんなものを感じる暇もなく、「もう少し俺のペースでやらせてくれ」と思うほど、指示されるままに押し流されていく。

ひとしきり、入金が終わると、入れ替わり、立ち替わり、説明がある。
売り主さんからは鍵の受け渡しや、物件のことについての補足。
司法書士さんからは、登記の話や、税金の話。
残りの書類にサインをしたり、印鑑を押したりする。
えっ、ここでやんの?とか、銀行でこんなことをしていても、大丈夫なのか?とも感じるが、そんな僕の逡巡もお構いなしに説明は続いた。

その間も身分証明書のコピーを取りに行ったり、振込の控えのコピーを取りに行ったりと、僕ら以外のみなさんが入れ替わり立ち替わり出入りする。
銀行にいたお客さんも、いったい、何が起きているのか?と思っていたのではないかと思うが、まあ、不動産契約の場合はみんなこうなのだろうから、珍しくもない光景なのかもしれない。

思い返せば、僕もそんな場面に遭遇したことがあったような気がする。
銀行は平日しか空いていないから、普通のサラリーマンの場合は、わざわざ有給を使ったりして来たり、仕事を抜け出して来ないとダメだそうだ。
そりゃ、大変だと話を聞いて思った。

結局、すべて銀行で行い、コンビニに司法書士さんがまだいるということで、コンビニに行き、合流し、コンビニの前で挨拶して別れるということになった。

最後は意外とあっけなかったな。
もっと振込後、喫茶店などに入って、こういうのをゆっくりやるのかと思っていた。
というか、せめてファミレスくらいに行こうよ、あれだけ説明するなら。

まあ、普通の人で仕事を抜け出して来ていたりするなら、時間をとってもいけないのかもしれないから、逆に、そういう配慮をしているのかもしれない。

まあ、最後はもっと華々しい感じなのかと思った。
周りの人に言われるがままに怒涛のように作業をさせられ、ベルトコンベアに乗せられたように説明を受け・・・という濃い時間の後に、まるでふさわしくない、あっさりとした別れ。

僕らの引き渡しの最後は、取引を一緒にともにしたみんなとのお別れは、駅前のコンビニの入口横で、

「それではー」

と仲介さんが、スゥーと大きく息を吸い込んだので、何が起きるのか?と見ていたら、

「この度はおめでとうございます!また、ありがとうございました!」

と大声で言った場面だった。

それはもう、ただただ、恥ずかしいだけだった。
「ちょっと、こんなところでやめてよ!」という気持ちが取引の最後の印象だった。

夫婦ふたりが、スーツ姿の男性、何人かに囲まれ、コンビニの入口横で、停められた自転車の間に押し込まれた状態で、「おめでとうございます!」「ありがとうございました!」と大声で言われている姿。
それを言われた、当の夫婦がオロオロと「あ、ありがとうございます。」なんて周りを気にしながら言っている姿は、通行人の目にどう映ったのであろうか?
僕なら助けに入ってしまいそうだ。

引き渡し完了後

引き渡しの作業が終わった後、僕らは早速、物件に向かった。
鍵は今はみんなそうなのかもしれないけど、正規の鍵をさすと、その時点で、工事用・内見用の鍵がさせないようになる、という感動的な仕組み。

だから、まあ、僕らも一刻も早く、さしてみたくなったわけだ。
じゃないと、内見用の鍵とかで、誰か入っちゃうかもしれないからね。

とはいえ、その前に、通り道のロイヤルホストに寄ることに。
これはずっと決めていたことだけど、終わったら、「パフェを食べる」と2人で決めていた。

だけど、ロイヤルホストに入ったら、急にお腹が空いてきちゃったので、僕はカレーを、妻はなんかいいパフェ的なものを食べた気がする。

この時のこの時間、なんか妙にいい気分で、これから事あるごとに、「ロイホでパフェを食べよう」と言い合うことになる。
※ 実際に行ったのは、この日ともう1回の合計2回だけだったけど・・・。

家に到着、鍵を差し込む

家に到着し、鍵を差し込む。
無事に開く。
あとは登記で確認しなくてはいけないけど、これで自分たちがこの物件を買ったということが9割以上決まった。

中に入ると、いつもより、ガランとしていた。
当たり前だ。
いつもは大柄な仲介さんがいたし、売り主さんがいたときもある。
人が3人4人と、2人だけというのは、こんなに違うものか・・・と驚く。

立会の時に、指摘した傷が直っているか?なども確認する。
その後、ちょっとゴロンとなってみる。

この物件が僕らのものか・・・。
実感はわかないけど、お金もつかっちゃったけど、喜びというほどでもないし、喪失感もあるし、なんだか整理のつかない気持ちだった。

だが、センチになるには早すぎる。
これから、面倒くさい引っ越しや、旧居の原状回復などもあるからだ。

とりあえず、家の購入記はこれで終わり。
追加として、原状回復などや、引っ越し、補足情報についても記載しておきたい。





いいなと思ったら応援しよう!