思い出の物件たち「新築建売編」:家の購入記17
今回は思い出の物件、新築建売編。
中古戸建て、中古マンションと続き、これが最後。
物件1:最初に内見した新築一戸建て
新築は中古とはまた違った検索になる。
中古を調べると、新築も出てくればいいのだけど、実際はそうではなく、同じ不動産ポータルサイトでも、別枠で検索しなくてはいけない。
出てくる物件情報のフォーマットも違って、「新築は一味違うんだぜ」という特別感を出してくる。
「ほー、新築はそうか・・・」と思いながら、自宅、つまり、今の賃貸マンションの近くを検索してみると、なんと歩ける距離に、新築の一戸建てがあるという。しかも最近値下げしたらしい。
これは新築も中古も同じで、マンションと異なり、戸建ては物件情報だけでは場所が分からない。
だいたいの位置を見る限りでは、歩ける距離なんだけど、あんなところに新築物件なんてあったっけ?と思ったが、一応、候補に入れる。
だいたい、僕が物件を探して、「これ、いいじゃん」と思ったら、妻に見せ、妻が「おお、いいじゃん」となれば、内見に進む・・・というのがいつものパターン。
それが今回はモスバーガーで行われ、妻のOKが出たので、そのモスバーガーですぐに不動産会社に電話した。
今回はこの物件以外にも1軒、合わせて2軒、気になっていたので、2件の情報をお願いする。
実はこの物件1は本命ではなく、サブ候補だった。
見て良ければ、検討に入れてもいいかな・・・という感じの物件。
不動産会社と内見の約束をして、最初は先に本命の方を見に行くことになっていたが、そちらは「別の不動産会社が撮影をしている」ということで、物件1を先に見に行くことになった。
いよいよ内見に向かう。
地図をもらって車で行くも、近所なのに、道が入り組んでいて、まったく場所が分からない。
いつも通っている幹線道路から一本入るだけなのに、全然場所が分からない。
細い道だからUターンもできないし、ぐるぐる回っては、見慣れた幹線道路に出て、また、細い道に入って、また、見つけられずに幹線道路に出て・・・を繰り返す。
いつも通る道から一本入るだけで、こんなに見知らぬ世界が広がっているとは・・・なんて感傷に浸る暇もなく、約束の時間は迫っている。
仕方がないので、担当者に連絡をする。
はじめて合う仲介さんは、初対面な上に、向こうも値踏みをしてくるだろうから、緊張する。
場所が分からないなんて、はじめから弱みを見せたくなかったが、仕方がない。
ただ、「この辺にいるんですけど」「ああ、もう少し先です」「あれっ、どこだろ?」「じゃあ、私、曲がり角に立ってますよ」「なんかすみません。お願いします」「あっ、あれかな」「あっ、それです!」なんて、お互いに手を振りあったりして、合流する頃には、一緒にひとつのことを成し遂げたような仲間感に満ちていた。ハイタッチしかねない雰囲気だった。
まあ、正直、この時点で、この物件はダメだなと思っていた。
家まで迷路みたいでたどり着けるか分からないし、前面道路は公道とはいえ、まるで私道のような作りで、自宅前の道の先が袋小路になっている上に、幹線道路から家までずっと幅員が細くて対向車が来てもすれ違えない。接道義務を本当に果たしているのだろうか?と思ってしまうほど。
駐車場に停めるのも出るのも必死であった。
が、せっかく来たし、本命は次の物件なので、こっちも見ておかないと、新築物件として比較ができない。
「先にこっちに来て、逆に良かった」と思いながら、中に入る。
いや、もう、戸建てもマンションも中古しか見てこなかった僕らからすると、新築は眩しい。
どこもかしこもキレイだし、どこにでも寝っ転がれそうだ。
仲介さんはあちらこちらの窓をあけ、換気をして回っている。
こんな住宅密集地にあるにもかかわらず、いい風が通る。
というか、マンションに比べると戸建ては風が通るというのは、ずっと感じていた。
また、新築は「売る気」が違う。
中古はもう、売る気が見えない家も多かった。壊れたままだったり、掃除すらしていない家だって、結構ある。なのに値付が強気だったりする。
高く売りたいなら、せめて掃除くらいしておこうよと何度も思ったっけ。
でも、新築は家具とか置いてあるからね。
テーブルクロスなんて敷いちゃってる。
まあ、写真で見て、分かってはいたけど、中古ばかり見ていたから、なんだか新鮮だった。
どこもピカピカだ。
このお風呂に入るのは僕らが初なんだよ?すごくない?なんて妻と話したりする。
また、家の間取りも違う。
やはり、LDKを広く取るし、開放感がある。
純和室もない。これが2024年、今風か。
ただ、ちょっとペラペラな感じはした。
建築費が値上がりし、新築のグレードを落としているという話は聞いていた。
中古の注文住宅はもっとガッシリしていた気がする。
聞くと元の値段は500万ほど高かったらしい。
以前のチラシがちらっと見えて、それが500万ほど高かった。
なるほど、これがコロナ後の建売不況か・・・なんて思った。
この物件はイヤだったけど、ここらへんで、僕らは新築にぐっと引き寄せられてしまった。新築を見てしまっては、もう中古は買えないのんではないか?そんな警戒感すらあった。
そして、いよいよ本命の内見に臨む。
物件2:ゴミ屋敷に両側を挟まれた新築建売
この物件がなんといっても、一番思い出に残っている。
中古戸建ての物件2「ペンシルハウス」のときに、「中古と同じくらいの新築が近くにある」と発見したのが、この新築だった。
中古と同じくらいの価格で、新築。
ならば、見てみないとダメだろと、第一候補に入れたのだ。
内見まで
実は上述のメールでもらった住所から、ハザードマップを調べると、本命のこちらの物件が高潮に引っかかっていた。
この頃はまだハザードマップに過敏になっていた時期だった。
ダメか・・・と思いつつ、念の為、現地を車で見に行くことにした。
すると、なんと前面道路も2車線で広いし、今まで見たどの物件よりも開放感にあふれていた。それに、今の家から近く、生活を変える必要もない。
だいたい、物件情報で興奮して、実際に見るとゲンナリするということの繰り返しだが、この物件は物件情報のままで、「あれっ、ここ良くない?」「いいよね!」という話になった。
「とりあえず、中を見せてもらおう」ということで、上の物件と合わせての内見に到ったのだった。
最初はこちらを先に見に行く予定だったが、「他の不動産会社が撮影をする」ということで、上の物件を先に見ることになったのだけど、それを聞いて、僕の頭の中でアラームが鳴り響く。
どうも、値下げ間もないらしく、他の不動産会社も動き始めたというのだ。
決断を急がねばならない。
表情をキリッと引き締めて向かう。
駐車場
駐車場は充分な広さがあるが、縁石の配置が悪く、進行方向によっては、やや停めづらい。
聞けば、この駐車場の作りのおかげで、いいところまでは行くが購入には至らず、やむなく値下げしたということらしい。
僕らはこの点に関しては問題がなかった。
小さい車だから。
まあ、自分らが問題がなくても、売るときに困るかもしれないが、完璧な物件などない。
このエリアなら、まあ、大丈夫だろう。
リビング
広い。
さっきの物件と同じく、全体的にペラペラな感じはあるが、それが事務所っぽくて、僕らには逆に良かった。
物件の説明のときに、リビングに設置されていたソファに座って、説明を受けていたのだけど、もうなんか途中から、自分の家のような感じがしてしまったほど、すべてを受け入れてしまっていた。
飾りで置いてあった空のコーヒーカップを思わず口に運んでしまったほどだ。
一人でフッと苦笑いする。
誰も見ていなくて良かった。
いい風が通り、いい天気で、猫の額ほどの庭というかスペースに引かれた人工芝がとてもキレイだった。
2階
2階には4部屋あった。
わざわざ4部屋に分けなくてもいいのに、分けた上に収納を全部屋につけているから、各部屋に入るのが狭いし、圧迫感がすごい。
おそらく、ドアを開けたら、すぐに部屋の中をパッと見られないようにするためか、ドア横に収納を配置してあるから、圧迫感をより助長している。
肩を何度も切り返さないと、各部屋に入れない。
これは「お年頃の子供を抱えた家族のための家だ」と思った。
夫婦ふたりだと、ちと持て余す。
いや、寝室が別の夫婦ならいいのかもしれない。いっそのこと、ひとつ壁をぶちぬくか?
そんなことを思いながら、おもむろに窓をあけたら、そこには驚きの光景があった。
まさにゴミ屋敷。
窓を開けると、隣家の窓が見えるのだけど、その窓は様々な空き箱や紙切れか洋服みたいなもので埋まっていた。
他の窓を見ても同じような状態で、何やら荷物でギッシリと詰まっていた。
今から考えたら、カーテンがあれば見えなかったのだから、どの窓にもカーテンが無いのだろう。丸見えだった・・・というより、ゴミで部屋の中は見えなかったけど。
「ああ、これはヤバいな」と思い、反対側の部屋に行き、窓を開けたら、今度はゴミ屋敷ではないけれど、またもやカーテンがなくて、ご老人らしき方の下着がびっしりと干してあるのが見える。
見なきゃいいのだけど、目の前にあるのだから仕方がない。
「くっ」と思い、そのまま下を見れば、敷地ギリギリまで、今度は木材や建材やプランターの残骸みたいなものが置き去りにされている。
「こっちもゴミ屋敷じゃないか!」と心で叫んだ。
こちらの家は外壁をトタンで補強している。DIYだ。
なるほど、外壁塗装を10年〜15年でやれと言われているが、こういった方法も見栄さえはらなければ出来るんだなあと、ここは勉強になった。
老後、にっちもさっちもいかなくなったら、僕もトタンでしのごう、そう思った。
いやあ、表から見るだけじゃ分からなかった。
道路の広さにマイホームハイになってしまっていたのだろうか。
意識して、よく見ると、両隣の家はすごく古い。
ちゃんと見ていれば分かったのかもしれないけど、気づかなかったな。
「売れない原因は駐車場です」と言っていたけど、それもあるだろうけど、本当はこれもあるだろと妻と話す。「両隣が・・・」とは言いづらいものね。
この物件、その後も何度か来たのだけど、最後の方には、DIYの方の家の植木がめちゃくちゃ越境していた。伸びたんだね。
近隣情報1回目
「町内会とかって、どうなんですかね?」と聞くと、「分からない」という。
この頃はまだ、新築はこの近隣情報に苦労するなんてことはしらなかったから、気軽に仲介業者さんに聞いたのだったのだけど、僕が、やっぱりね、知らないよねという顔をしたのかもしれない。
すると、この仲介さん、「聞いてきましょうか?」と、思ってもないご提案。
そのまま駆け出していく。
「あっ、ゴミ捨て場も聞いてほしい!」と夫婦で顔を見合わせて言い、妻が仲介さんを追いかけていく。
すると隣の隣の人がご在宅だったらしく、色々、聞くことが出来た。
その間、僕は、床下を見たり、2階に登り、水準器で測ったりした後、正面のバルコニーから2人の様子を見ていたのだけど、その時、道を挟んだお向かいさんのアパートの一室から外人さんがワラワラと出てくるのを見つけた。
「あの一室にこんなにいられるのか?」とそれを見ていると、2人が戻ってきた。
ふたりとも微妙な顔をしている。
「どうしたの?」と聞くと、「お隣さんがちょっと変な人って言ってた」ということで、「ああ、そうなの・・・」と、3人で微妙な顔になっていたと思う。
肝心の町内会に関しては、まあ、普通でなんの問題もなさそうだった・・・、あくまでこの時点では。
第一回目の交渉
内見を一通り終えた僕らは、上記のこともあり、「この価格だとこの値段はちょっと。ちょっとでも値下げしてくれたら、買うかも」という印象だった。
ハザードマップにも掛かっているし、車の件も、隣の件もあるし、なんとかならないかなあ、チラっ、みたいな感じ。
あと、僕は素人には見えない情報を仲介さんが持っていると思っていて、ハザードマップももっと詳細なものが見られると思っていたのもある。
そこで仲介さんに言うと、「売り主に値引きのアタリをつけてみます!」「ハザードマップなどの情報も今度持ってきます!」と言うことで、その日はお別れとなった。
2度目の交渉
2日後くらいだったか、「情報集まりました!」「売り主にも聞きました」ということで、「ご自宅に伺います!」と言う。
なんかすぐに家に来たがる人だったのだけど、何の意味もないので、「ご迷惑かもしれませんが、もう一度見たいし、あの物件でお会いできませんか?」と言い、そういうことになった。
物件に行くと、また、隣の隣の人と担当者が話していた。
「何かあったのかな?」「それとも、新情報か?」と思ったが、聞いてみると、「新情報はなかった」とのことだった。
世間話かよ。
まずはドサッと資料をくれた。
でかい紙だったので、オーと思いかけたが、僕がWebで見たハザードマップが拡大コピーされているだけだった。
今、手元でその紙を見ているけど、なんともいえない気持ちになる。
で、価格交渉。
結果は、「今が赤字ギリギリ。もう引けない。だけど、置いてある家具、つけちゃう」とのこと。
確かに結構、値下げしてきているようだから、仕方がない。
だけど、この頃、僕は、この間書いた「パワービルダーの値下げの傾向」について知らなかったこともある。
これ、「聞いて下さい。家具もつけるそうです!」とすごい特ダネを持ってきた感じで言われたけど、「いや、すみませんけど、逆にいらないです」と答えたのを覚えている。
「いらないですかー、そうですかー」と言っていた。
2度内見した、というか、僕の中では「家に来られると困るし、もう一度見たいし」くらいな感じだったのだけど、仲介さんにとっては、「もうこいつら買うな」と確信に満ちたような感じになっていて、
「住宅ローンはどうしますか?」
「どこで契約になりますかね。おそらく、売り主さんの事務所になると思うんですが・・・」
などと、あれしなきゃ、これしなきゃと、一人で呟いていた。
「まだ、買うと決めていないですよ」と釘をさしたが、「はい、もちろんです!」とか言っていた。
最初に見た時の新築の興奮、前面道路が広いことへの興奮はやや冷め、改めて、両サイドのゴミ屋敷を見てみると、
「これを毎日見ることになるのか」
「夏はにおいとか大丈夫だろうか?」
「このままなら、まだいいけど、エスカレートするよな、きっと」
などという思いが湧き上がってくる。
実際、「今日は干してないだろ」と期待して窓を開ければ、ちゃんと下着が干してある。
ああ、これは毎日だなと思った。
ゴミ屋敷で50万、2つで100万、せいぜい、このくらいは値下げしてもらわないと買えない。
今の金額じゃ、我慢できないなと二人で話し合う。
それに、この物件、けっこうキツイんじゃないの?
若い夫婦があそこに越すとは考えづらいし、かといって、僕らより年上の方も駅から歩くし、周りに何も無いので難しい。
じゃあ、誰が買うの?となると、なかなかいないんじゃないかな。
だから、きっと値下げするだろうし、もう少し待ってもいいだろう。
その間、売れてしまうかは賭けだけど、それならそれでいい。
という方針になった。
ということで、その日の夕方に、「今の値段じゃ買えませんので、もう少し待ちます。もし、万が一、売れずに値下がりしたら教えて下さい」と言うことになった。
その後
その後も色々と新築を見たものの、この物件、なぜか心に残っていたし、前面道路の魅力、生活を変えなくていい魅力などから、ずっと買うリストに残り、購入した物件と一騎打ちをするまでに到った。
相変わらず売れずに、ずっと残っていて、「ほら、やっぱり、売れない」という思いと同時に、いつまでも売れないペットみたいで、逆に愛しくなってきた。僕が買ってあげないとダメな子なのか?なんていう気持ちになる。
そのうちに、僕がお話していた仲介さんは、この物件の取り扱いをやめたようだった。
でも、新築物件は売り手がはっきりしている。
中には売り手が運営しているWebサイトもあるので、それをウォッチして、引き続き、値下げを見張ることにした。
長くなってしまったので、この一騎打ちの様子は後日語りたいけど、この物件の最後についても触れておきたい。
この物件はその後も売れずに、僕らが他の物件を購入してから2週間〜1ヶ月くらいの間に値下げが行われ、その結果、秒速で売れた。
もう築浅中古の値段と同じくらいだったから、それ以下になれば、速攻売れてしまうのだろう。
その他の物件
物件2の思い出が多すぎて、他の物件を書くスペースが少なくなってしまった。
けど、思い出は思い出、忘れるにはもったいなさすぎるので、短く書いておきたい。
細い道の先にあるセットバック済み新築物件
情報を見て、このあたりだと細い道をグネグネ行くんじゃないかな?多分買わないな、でも見るだけ見たいなと思ったので、「とりあえず、内見させてもらうのは申し訳ないので、その前に住所を教えて頂けませんか?」とWebから問い合わせ。
すると次の日、土曜日の朝7時半くらいに電話が掛かってくる。
なんだか強引な女の人で、こちらは寝ているのに、一方的にしゃべりまくる。
寝ぼけながら、上のことを繰り返すと、じゃあ、会社に着き次第、メールかSMSで送りますとのこと。
会社に着いてから電話してくれと思ったが、予想通りというか、やはり、その後、待てど暮せど来ない。
これは忘れているなと思い、SMSで連絡すると、「今、会社に着きました」的な文章とともに、住所を送ってくれた。絶対うそだろ。
「内見をお願いする場合は連絡します」と返事し、現地へ。
予想通りというか、いや、予想を超えて、細い道を長々と行く。
たどり着いてみれば、いい家なのに、後ろの家の砂利が、この家の玄関に撒き散らされている。
ひとつの土地を前後に分割したような感じで、後ろの家から出るには、この家の横を通らなきゃいけない、最近、よく見る感じの作り。
おそらく、後ろの家には、お子様がいたりするのだろう。
小さな自転車が置いてあったりする、というより、この家の敷地に停めてある。
「空き物件だから、いいだろ」そんな声が聞こえてくるようだ。
この家の駐車場で遊んだりしているのだろう。そんな痕跡が見られる。
これは買ったら、苦労しそうだ。
思い出に残っているのは、この仲介業者が1週間毎くらいに連絡してくること。今までで一番印象の悪い人だったし、会ってもいない一番接点のない人だったから、思い出すのも苦労したし、毎回、誰だったっけ?と思っていた。
「他の物件も紹介できます!」と言われたけど、もう第一印象が最悪すぎて、ここには頼まんぞと思っていた。
けど、しっかりした会社なのか、「ああ、もう物件を購入しました」というまで、ずっと電話が掛かってきていたっけ。
間違いだらけの新築建売
新築探しの後半あたりに、お行儀の悪い不動産会社がいて、今までもあった物件をさも新着のように乱発していた。
それらがいちいちメールでも新着物件として来るものだから、クリックして見に行くんだけど、ちょっとずつ前と情報が違うから、「あっ、これ新着物件だ!」と真剣に見てしまう。
この物件もそのひとつで、「私道」となっていたけど、「本当に私道か?違うだろ」と思ったし、家から歩けるから散歩がてら妻と見に行った。
すると、ずぅーと続く道に面しているのだけど、「これ、私道なの?この持ち主、すごい地主じゃない?」とか「それなら、この道に面している、これらの家の人達、みんな私道の持ち主に生殺与奪の権を握られているのだろうか?」なんて思ったりして、疑問を強めていく。
で、その物件を発見したのだけど、いやあ、崖の下に建っていて、横に急勾配の階段がついている。
その階段から家を様々な角度から見られるんだけど、換気扇の外についている金具が隙間だらけだったり、ちょっと雑な作りだったっけ。
周りもジメジメしていて、崖の擁壁から水が滴り落ちていたりしていた。
写真で見ると、まるで丘の上に建っているような物件だったのに、実際は崖の下に建っていた。
写真と違うわ、情報も違うわ、実は地図も違っていたし・・・で、そもそも地理感がなければ見つけられなかったと思う。
後に、「接道:公道」に変更していたりして、「やっぱり公道でしょ?」と思ったけど、その変更した時にまた、「新着物件」として登録していたりして、「この野郎」と思った覚えがある。
そう考えると、どの不動産会社にもお金を払って「間違った情報をのせる」インセンティブはないわけだし、ポータルサイトに間違った情報を正す仕組みがなさそうなのは分かる気がする。
この会社、その後も、新着ではない新着物件を乱発して、検索結果を荒らしていたが、こうやって見込み客を集めているのだろうか。
とにかく迷惑な業者だった。
この物件、なんで思い出に残っているかというと、上のことにプラス、この物件の写真を参考資料として撮影した時に、急勾配の階段を降りてきて、偶然映り込んだ妻が躍動感あふれるポーズをしていたから。
陸の孤島の新築建売物件
バス便の物件。
間取り、作り、ゴミ捨て場からの距離、前が広大なグラウンドという眺望などから、まずは現地を車で見に行った。
けど、陸の孤島過ぎた。
しかも、陸の孤島はだいたい渋滞がひどい。
辿り着く前に、二人で渋滞で疲れてしまった・・・という思い出。
公園横の新築建売物件
いい物件だった。
公園横で、落ち着いて暮らせそう。
ただ、ずいぶん、エリアが落ちる。その分、安い。
おじいちゃんおばあちゃんになってから、ここなら理想。
のんびり暮らせそうだ。
ここに住んでしまったら、引退してしまいそうだ。
どんなに良くても、ここにしてはダメだ!と二人で話した物件。
道路族がいる新興住宅地
新興住宅地なのだけど、公道になっている物件。
公道だけど、その住宅地の人しか通らないから、私道のような感じなのだけど、公道。
「いいじゃん」と思って、見に行くと、道路族がいた。
道路族、道路で遊んでいたりする人たちだけど、ネットは大げさだからと思い、あまり気にしていなかった。
だけど、実際に遭遇すると、ネットよりも悪質な感じがした。
道の真ん中で子どもたちが遊んでいるのだけど、親も一緒にいる。
「ごめんねー」なんてつぶやきながら、徐行して近づいても、どかない。
「あれっ、うそだろ」と思い、さらに近づくと、まだどかない。
一本道だし、僕がUターンするわけないというのは分かるはず。
なのに、「これ、そろそろ危険ゾーンだぞ」というところでもどかない。
そろそろ窓を開けて、直接言わないと・・・と思い、ドアのボタンに手をかけた頃、親が声をかけ、やっと道を開けてくれた。
まあ、そういう人たちもいる。
だが、別の物件でもあった。
同じシチュエーション。今回は子供だけ。
いや、もう、本当に全くどかない。
「あっ、もしかして、ここ通らないかも」
「すりぬけられるかも?」
という可能性があるなら分かる。
だけど、道全体を占領しているし、一本道なのだから、分かるだろ。
これは道路族、ストレスだぞと思った思い出。
近くに行くと睨まれる新築物件
なぜか石造りのポストを作ってしまったコダワリの新築
ポータルサイトに載っていなくても、「新築物件こちら」とか「新築GOGO」とかの張り紙が電柱に張っていたりする。
途中で見失うこともあるのだけど、僕らの生活圏が新築ラッシュなのか、いくつも見つけたので、暇なときは、ドライブがてら、見つけたら行くことにしていた。
この2軒はそうして見つけた物件。
最初の物件は道しるべ通りに行き、たどり着いたら、睨まれたので、すごすごと退散した物件。
睨んでわけじゃないのかもしれないけど、にっこりされたら、衝動的に内見したかもしれないのに、目つきの悪い人を配置してはいけない気がする。
こうして、新築物件の前に人をずっと張り付けている営業の仕方を見ることがあるけど、これは非効率じゃないのかな?
せめて物件の中にいて、他の仕事をしながらなら分かるんだけど。きっと何か意味があるのだろうね。
そんなことを話した物件。
2件目は、「新着デザイナーズ物件」と書いてあったので行ってみると、素敵な物件なのだけど、郵便受けが石造りというか、石垣みたいな感じになっていた。
「あれさえ無ければ」と妻と悔しがったので、ちょっと覚えている。
いよいよ購入物件へ
他にも色々な物件を見に行った。
でも、たいていは現地を見ただけで内見までは行かなかった。
中古物件も、新築物件も、ちょっと検討物件のストックが尽きかけていた頃、いきなり、ポンとある物件に出会うことになる。
「ああ、ちょっとこのままだとマズイな。買えないかもしれない」
そんな気持ちになっていた頃だった。
次は僕らが購入した物件についての出会いを書いていきたい。
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