収益物件・店舗物件やコンテナハウス、3Dプリンターなど、一般的ではない住宅を探す:家の購入記5
「不動産はババ抜きだ」と言われる。
その言葉どおり、戸建てを探し、マンションを探す中で、「やっぱり、売っているものは、誰かがいらないと思ったものなんだな」という思いと、
価格面を見ても「一般顧客向けに売っている家はやっぱり高い。普通に売っているものをただ買うだけというのは工夫がなさすぎるかも」と感じていた。
そして、なにより「ただ住むだけのために、こんなに金額を使うのか・・・」という思いがずっとつきまとっていた。
「こういう家に住みたい」
「こういう生活をしたい」
という気持ちで家を探しているわけではない我々にとって、安くても数千万を「ただ住むだけ」のために使うというのはもったいないなと思っていた。
そこで一旦、
「そこで少なくともお金を産むようにできないか?」
「そうでないなら、もっと他の方法で家を買えないか?」
と考えてみることにした。
1,賃貸マンション・アパートなど収益物件を買い、そのうち一室に住む
普通の一戸建てやマンションを探しているのと同時並行で、不動産投資のポータルサイトの物件を見ていると、
「この普通の一戸建てやマンションよりも、賃貸アパート一棟の方が安いんだけど・・・」
というケースがあることに驚く。
賃貸マンションやアパートは、例えば全6戸だとしたら、バス・トイレは6戸分必要になるし、ドアやキッチン、それら、すべてが6戸分必要になるわけで、建築費は普通の家よりも高いはず。
そして、家賃という収益を産む。
なのに、同じ築年数でも、普通の一家族しか住めない家と、あまり価格が変わらなかったりする。
これは前の記事でも書いたけれど、「プレイヤーの違い」なのだと思う。
収益物件はプロかセミプロが探すし、基本的に利回りで考えるけど、普通の家はアマチュアが探すので、買う理由も様々だから、価格が相場と離れがちなのだろう。
同じ価格帯ならば、「賃貸マンションかアパートを一棟買って、その一室か二室に自分たちで住む」というのもいいかなと思った。
これで肝になるのは、
不動産の目利き・・・これは逆に一般向けの家よりも価格の理由が分かりやすく、行けそうだった。
メンテナンス費用のコントロール・・・これは自信が無かったけど、これから学んで頑張るしかない。
の2つだろう。
「入居者の管理」などは管理会社と協力して、ぼちぼち学んでいけばいいし、BtoCの事業と似たところがあるのでいけるだろうし、まあ、検討してみる価値はあると思った。
そこで実際に探してみたのだけど、結論は以下の通り。
「リスクの割に儲からない+そこに自分が住みたいのか?」
ということだった。
色々、検討してみたのだけど、
売上のベースが低い。しかも伸ばすことができない・・・これが一番大きかったけど、例えば家賃10万だとして6戸なら60万。これが最大売上で、頑張ってこれを120万にするとかが出来ない。すごい頑張って、数年で一戸あたり数千円を上げられるかどうか・・・というくらい。これが事業や株式投資なら、自分の頑張り次第で、2倍3倍に伸ばすということができる。あくまで資産形成目的でしかできないかな・・・。
正直、20年後に資産が増えているとか、この年齢になると、さほど魅力じゃないし、株でいいだろと思う。
なのに結構リスクが高いし、面倒なことが多い
人口減・・・賃貸は若年向けやファミリー層向けが多いし、貸すなら高齢者よりも若い人がいいのが現実で、若い人の取り合いになるだろう。その若い人口が顕著に減るわけで、影響が大きいだろうからリスクが高い。
入居者にまつわる問題・・・とにかく法律が入居者保護なので、なにかあっても取れる手段が不自由だし面倒。
孤独死・・・事故物件になっちゃうし、怖いなと思う。孤独死を防ぐために見守りとか身元引受人とか色々防ぐ努力はあるけど・・・。遺留品の処分も勝手にできなくて、大変だそう。
夜逃げ・・・夜逃げされると、その荷物を勝手に処分できないとか、もう不自由過ぎるだろうと。家賃に関しては、家賃保証会社を義務付けしたりすればいいけど、荷物の処分は困るな。
変な人とかクレーマー・・・ご近所トラブルとか、部屋や建物を壊すとか、やたらクレームをつけてくるとか、変な人をいれると、周りの住民も逃げてしまうから空室も増えるし、対応も面倒だし、困るよな・・・。しかも追い出すこともできないという。
そこに自分が住みたいのか?・・・もうこの年になると、築古アパートの一室というのに住みたいか?と言われるとキツイ。我慢はできるけど、気は進まない。じゃあ、広くてきれいなところ、つまり、価格の高い賃貸マンションを買うのか?となると、それならその分を株にした方がずっと流動性も高いし、いいだろうと思ってしまう。
この「入居者の問題」の3番、一般向けのお店などに勤務していた人は分かると思うけど、結構な人数でいるし、当たったら、もうその人の対応で手一杯となる。
お店では、難しいとはいえ、出入り禁止にすることもできなくはないけど、家ではほぼできない。これは困るよなあと思う。
家賃が高い場合は割合が減るらしいけど、そんなグレードの物件を手に入れるほど本気じゃないし・・・という感じだった。
また、いい物件はまずお得意様に行くことがほとんどらしく、ポータルサイトに出ている物件というのは、売れ残り物件と同義らしい。
その中でいい物件があることもあるけど、不利なのは間違いない。
はじめはみんなそこからのスタートだから、仕方がないけど、時間がかかりそうだ。
調べれば調べるほど、賃貸物件を運営するというのは、
「買ったら、一生安泰」
というようなものではなく、
「事業を営む」
ことに近いと感じた。
僕が思っていたような、「大家さんは101に住んでいて、アパートの掃除したりして生きているよ」という感じではないようだ。
ただ、自分が若かったら、このやり方は第一候補だったかもしれない。
いろいろな経験も積めそうだし、「いい家に住む」よりは、資産形成にもなるし、この手段を取っていたかもしれない。
だけど、もう年齢も経た自分にとって、
「こんな面倒なことを、わざわざ背負う必要はない」
と思うようになってしまった。
だから、これはやめることにした。
2,店舗兼住宅を探す
僕は実店舗をやっていたこともあるので、お店をやることにたいしては、抵抗感はない。
もうお店、特に実店舗をやる気力もモチベーションもないけれど、本気じゃなくて、お客さんが来なくても、一階部分を何らかのお店にして、そこで普段は自分が仕事をする・・・というのもいいなと思っていた。
僕は仕事は家でしている。
どうせ仕事を家でするなら、コーヒーや酒も家で飲むだろうし、他人にそれを出してもいいし、他人に出せるクオリティのものを自分も飲みたい。
老後のハリにもなるかもしれない。
ということで店舗兼住宅も探していた。
だけど、
めったに出ないから、探すことすらできない・・・そもそも物件自体が少なく、一月に1軒出るか出ないか?だから、探すことすらできない。
時代遅れ・・・店舗付き住宅のお店に自分が行きたいか?というと行きたい人は少ないだろう。だからこそ、今、ほとんどないし、それがゆえに、物件数も少ない。
ボロボロ物件が多い・・・めったにでないけど、探している人がいないからか、意外と安い。だけど、もうボロボロ。文字通りボロボロで、どうリフォームしてもそのままじゃ使えない。建て替える必要がある。
ご近所への配慮・・・騒音、行列、ゴミなど、お客が来ないとはいえ、お店をやるなら、やっぱり、それなりに配慮が必要だろうから、一般の家を改造して店にするのも面倒そう。
結局、土地から新しく建てた方がいいのではないか?・・・そこまでするなら本気でやらざるを得ないし、それなら借りた方が安いし、早いし、場所(立地)がいいし、自分で建てるメリットがない。
ということから、「うーん、あまりメリットはないかもな・・・」と思い始めた
あきらめることにしたけど、ただ、「できれば、お店に転用できるところに家を買う(栄えているところ)」というのは心がけることにした。
コンテナハウスを調べる
荷物を運ぶコンテナを家にした「コンテナハウス」というものがあるらしい。
一般的な住宅を買うのは面白くないし、高いし、それならコンテナハウスもいいなと検討してみた。
なんと建物の固定資産税が掛からないという噂があるし、一般の住宅よりもオシャレだったりして、コンテナだから、劣化しても、交換するのも簡単そうだ。
建て替えなんかも必要ないし、これはいいんじゃないか?
だけど、
意外と高い。・・・やはりコンテナを家に改造するのだから、それなりの金額になる。コンテナハウスというトリッキーな手段を取るほどの金銭的なメリットがない。
土地までの道路の幅がある程度必要になる。・・・あのコンテナを運んでくるのだから、置く予定の土地までの道路が狭いと置けない。現地組立の場合はコスト高になる。
固定資産税が高いケースもある。・・・固定資産税が掛からないのは「建物」だけ。だから、土地には掛かる。それで住宅ではない扱いなので、減免措置も受けられないから、結局、普通の住宅よりも高くなったりする。普及しつつあるからか、建物にも固定資産税がかかるというケースもあるようだ。しかもその場合、鉄骨としてだから、木造の一般的な住宅よりも高いという。
事務所用にひとつ、住むようにひとつ、というように、ひとつずつコンテナを配置するというのは素敵だなと思っていたけれど、ちょっとデメリットの方が大きいかなと思った。
3Dプリンターハウスを調べる
着々と進みつつある技術だけど、まだまだ、テントレベルで、何人かがその家に、きちんと住むには実現が遠そうだ。
今、買った家が建て替えになるくらいになら、完全に実用化されているかもしれない。
本当に頑張ってほしいけど、今は取りうる方法にまでは達していないようだ。
それなら、どうするか?
掘り出し物があるかもしれないから、店舗付き住宅は探し続けるものの、件数が小さいから、実現は無理そうだ。
色々代替手段を探したけれど、結局は、一般的な住宅を購入した方が、たくさんの売り物が出ているし、購入できる可能性が高そう。
だけど、「普通に売っているものを買い、何千万を不動産に貼り付けるのか」という問いは常につきまとっている。
「やっぱり、賃貸のまま行くか?」と頭によぎるが、以前の記事に書いた通り、それはダメ。
じゃあ、どうするか?
色々考えた末に、
普通に売っている物件をなんとかお買い得にして買う
もう浪費ととらえて、テンションが上がる物件を買う
という2つの結論にいたった。
2番はもう「こういう家に住みたい」とか、価格と相場の乖離には多少目を瞑っても、その部分は「浪費」ととらえて、自分たちがテンションの上がる物件を買う。
1番は売っている価格から値下げ交渉をして、相場に近い金額にしてもらい買うということ。
1番の場合は、キモは「値下げ交渉」になる。
2番の場合だって、多少は値下げ交渉を試みたい。
次はこの値下げ交渉について、書いていきたいと思う。