第59回デイリー杯クイーンカップ(レース考察)
1)コース図とレースラップ
2角からスタートで最初の直線が長いです。3角4角は東京コースなので大きなカーブとなり、小回りコースより緩みにくいです。
最後の直線も長く、底力を問われるコースと考えて良いでしょう。
レースラップのポイントは上がり3Fがチューリップ賞と比較するとかなり遅い点です。前半のペースはチューリップ賞とさほど変わらないのに上がりが遅いのは開催時期の2月の芝の状態のせいだと思います。
道中に息を入れる箇所が少ないために、これ(上のグラフのペース)でもかなり厳しいペースとなり、上がりが遅くなっているんだと思われます。
2)脚質&上がり順位
10年以降の脚質&上がり順位は以下のとおりです。
ここで着目したいのは上がり順位の成績です。
東京コースなので決め手のある馬が好走しやすいと考えがちですが、例えば上がり1位の馬は1勝しかしていません。
最も勝ち星が多いのは上がり4位から5位の4勝と6位以下の4勝です。
意外な印象を受けるのは私だけでしょうか。
一方2着は上がり1位が7頭/14頭もいます。
つまり差して届かず2着というケースが多いと言えます。
上がり3位以内で2着が12頭/14頭というのも非常に興味深いです。
この点をもう少し掘り下げます。
「へぇ~」ボタンの用意をお願いします(笑)
3)着順別の特徴
1着馬の出走までのコース別・距離別・クラス別成績がこちらです。
以下の様な傾向が伺えます。
・新馬戦以外ほぼ複勝を外していない。
・芝1600mの実績が最多なのは間違いないが、全体的な傾向として長い距離での好走率が高く、短距離での好走率は下がる
これを踏まえて、2着馬を同様に見ていきます。
2着馬は以下の様な傾向が伺えます。
・長い距離よりも短い距離の好走馬が多い
(芝2000m経験馬は1頭もいない)
・1着馬よりも4着以下経験馬が増え、重賞でも少し足りない感じの馬が多い
特に、距離実績に関しては1着馬とは真逆の傾向を示しているのが興味深いですね。
つまり1着馬は先行して粘る馬タイプが多く、2着馬は短距離の差し馬タイプが多いということがわかります。
もちろん上記の傾向は絶対ではなく、ペースやメンバー質にも影響を受けますけどね。
参考までに3着馬も同様に調べた結果を載せておきます。
基本的には1着馬タイプと2着馬タイプの2番手が入り混じると思いますので、3着馬を深く掘り下げることはあまり意味は無いかなと思っています。
3)1着馬
では、1着馬に関してもう少し見ていきます。
以下は1着馬の一覧です。
これを4角位置別に分けます。
<4角4番手以内>
■4角4番手以内で上がり3位以内の馬
メジャーエンブレム 桜花賞4着、NHKMC1着
ヴィルシーナ 桜花賞2着、オークス2着
アプリコットフィズ 桜花賞5着、オークス6着、秋華賞3着
3頭ともその後のG1で3着以内があります。
■4角4番手以内で上がり4位以下の馬
ミヤマザクラ 桜花賞5着、オークス7着 ※上がり4位
テトラドラクマ NHKMC14着
フォーエバーモア 桜花賞8着、オークス11着
ウキヨノカゼ 長期休養で3歳G1不出走
先行して速い上りを使えていたかどうかで、その後の戦績にかなり差があることがわかります。
そして恐らくですがヴィルシーナがPCI3:63.03のスローで上がり3位を記録していますが、これが一番ハードルが高いんだと思われます。
何故ならスローで隊列が短く、差し馬も脚を溜めやすい状況の場合、後方の馬が速い脚を使いやすくなるからです。
もし、今年のクイーンCで4角4番手以内から上がり3位以内の脚を使って1着になる馬が出てきたら、春のG1での大注目馬になります。
それと先行して1着タイプは桜花賞の成績がオークスの成績よりも良い傾向にあります。
<4角5番手以下>
※4角11番手のプレサージュリフトだけ、もしかしたら違うタイプかもしれません
ハーパー 桜花賞4着、オークス2着 ★
プレサージュリフト 3歳春G1は不出走
アカイトリノムスメ 桜花賞4着、オークス2着
クロノジェネシス 桜花賞3着、オークス3着 ★
アドマイヤミヤビ 桜花賞12着、オークス3着 ★
キャットコイン 桜花賞7着、オークス12着
ホエールキャプチャ 桜花賞2着、オークス3着
こちらの馬は桜花賞よりもオークスの方が好成績になりやすい傾向があります。★マークの馬は芝1800m以上の経験馬です。
PCI3の数値が高い順で見ると
クロノジェネシス 桜花賞3着、オークス3着 ★
プレサージュリフト 3歳春G1は不出走
ホエールキャプチャ 桜花賞2着、オークス3着
になります。
そして総合的に見て、4角7番手以内から1着馬は出ると考えた方が良さそうです。
4)2着馬
以下は2着馬の一覧です。
<4角4番手以内>
ドゥアイズ (9位) 桜花賞5着、オークス9着
スターズオンアース (4位) 桜花賞1着、オークス1着
アエロリット (2位) 桜花賞5着、NHMC1着
上がり4位以内だと、春のG1で好走しています。
そして2冠馬のスターズオンアースのPCI3:57で高いです。
クイーンC4角4番手以内で2着以内且つ上がり4位以内の馬は以下のとおりです。
ミヤマザクラはRPCIが赤いことからもわかるように、逃げ馬が2.0秒離しての大逃げでした。例外と考えるとクイーンCはスロー(PCI3:56以上)で先行して上がり4位以内で2着以内の馬はかなり強いと考えられます。
<4角5番手以下>
ここも5番手以下とひとくくりにしていいのかどうか疑問もありますが、以下が一覧です。
まず、見て欲しいのは上記の馬のその後の春G1での成績です。
唯一の例外(1着)はミッキークイーンで、それ以外は全滅です。
この結果とレースラップで上がりが遅いことを加味すると、差して好走する方が簡単(能力の足りない馬が来る)だということです。
もう一度、クイーンCの脚質&上がり順位別成績をお見せしますが
上がりの速い馬の回収値が高いのがわかります。
つまり穴を開けるなら4角5番手以下から差してくる馬です。
ここまでの傾向分析を踏まえて、クイーンCの予想を進めていきます。
現時点で本命予定馬は、ネットケイバコムで5番人気以下の馬になりそうです。配当的には共同通信杯よりこっちに力が入りますね。