第29回NHKマイルカップ(何故グランアレグリアは負けたのか?)
2強はどっちが強いのか、興味は尽きませんが、まず最初にNHKMCの押さえておくべき点を確認しておきます。
1)脚質別成績
以下は10年以降のNHKMCの脚質&上がり順位別成績です。
どの脚質からも好走馬が出ていますが、回収値が高いのは上がりの速い馬です。
これを4角の位置別にこまかく見てみると
大きく4つの好走ゾーンと呼べる箇所があるのがわかります。
これを見ると4角9番手以下からが穴馬が出やすいということがわかります。
ちなみにですが4角9番手以下から3着以内に入った馬の馬番別出現を調べると以下のとおりです。
これを見ると、8番あるいは10番より外が発生しやすいことがわかりますが、これについてはもっと興味深いデータを後日紹介します。追込みの発生しやすい馬番をある程度絞り込むことができるんじゃないかと期待しています。(枠順発表後を考えています)
2)脚質別の好走馬のその後
差し・追込み馬から穴馬が出やすいことはわかりましたが、NHKMCで好走した馬のその後を調べてみました。
まず最初に4角4番手以内からNHKMCを3着以内に好走した馬の次走成績です。全て重賞で悪くない成績です。
次に4角12番手以下からNHKMCを3着以内に好走した馬の次走成績です。
何と次走馬券内に好走した馬は1勝Cで1着の1頭しかいません。
※逆に言うと、1勝Cを勝っていないのに好走した馬がいるということ
これでわかるのは、「弱い馬でもNHKMCなら差し・追い込みで好走できる」という事です。
どの馬が強いかという視点でレース予想をしがちですが、NHKMCに関しては、後方から差し・追込みをしてくる馬は(強さ比較と)別視点が必要と考えるべきです。
3)何故グランアレグリアは負けたのか?
以下は10年以降のNHKMCで3番人気以内に支持された馬の性別の成績です。
若干牝馬の方が優勢ですが、大きく差があるわけではありません。
ちなみにですが勝ちタイムが1,32,9以下の速い決着になるとまた少し牝馬が優勢になります。※理由は昔から何度も述べている通りです。
今年は2歳マイルG1馬の激突と言うことで盛り上がっていますが、今年と近い状況だったのが19年ではないでしょうか。
グランアレグリア(桜花賞1着)VSアドマイヤマーズ(朝日杯1着)
という年です。
結果的にアドマイヤマーズが1着(2人)でグランアレグリア(1人)は5着(4着から降着)でした。
アドマイヤマーズも強い馬でしたが、その後の実績を比較するならグランアレグリアの方が圧倒的に上です。では、この時点ではグランアレグリアの方が成長が遅くて弱かったのかという考え方もできますが、実はそうではないんじゃないかというのが私の見立てです。何故ならアドマイヤマーズに負けただけではなくて、2着ケイデンスコール(14人)、3着カテドラル(7人)等にも負けているからです。
では何故負けたのかですが、2つ理由が考えられると思っています。
1つがグランアレグリアは、前半はゆっくり入らないと脚を溜めることができないタイプだったから。グランアレグリアは生涯で3着以下に負けたレースは以下のとおりです。
・朝日杯3着 2-2
・NHKMC5着 4-6
・大阪杯4着 5-5-2-2
・天皇賞秋3着 2-2-2
そして4角7番手以下だったレースは
3着以下無しです。
恐らくNHKMCもグランアレグリアが後方からレースをしていれば、勝ったのはこの馬だったんじゃないでしょうか。
アドマイヤマーズも勝ったとは言え、2着馬との差は0.1秒ですからね。
つまり、脚を溜めないとダメなタイプの馬が先行するとグランアレグリアレベルの馬でも負けるのがNHKMCと考えられます。
こういうタイプの馬は危険視した方が良いと思います。
2つ目はペース経験じゃないかと思っています。
実はグランアレグリアが勝った桜花賞は35.4-33.3のスローなんですよね。
一方アドマイヤマーズは皐月賞で厳しいペース経験をしていた、この差があったんじゃないかと思っています。(※これも追込み馬は別です)
昨年のNHKMCの予想で私はシャンパンカラー(9人)を対抗にしていました。(本命は4着ダノンタッチダウン)
展開が嵌ったというのもありますが、前走のNZTが超ハイペースで、それを先行して粘り3着且つ2走前が2000mからの距離短縮だったというのが主な理由です。急激なペース変化に苦しい展開で対応したのが評価ポイントでした。勝ち切ったのは上がりのかかるレース且つ後方待機が嵌ったからだと思います。
ジャンタルマンタルは朝日杯が34.1-35.4のレースを先行して勝っていますのでハイペースへの対応力はあります。課題はあまり前過ぎてしまうと差し馬に交わされてしまう可能性が考えられる点でしょうか。
アスコリピチェーノは阪神JFが34.4-34.4のレースを8番手から上がり2位で1着です。こちらもグランアレグリアのような心配は無いと思います。
もしアスコリピチェーノがジャンタルマンタルよりも外の枠に入ったら
かなり1着の可能性が高くなると思います。
(理由は後日解説します)
ゴンバデカーブースがグランアレグリアする可能性はあると思います。
キャリア2戦で
・新馬 35.9-34.7
・サウジアラビアRC 34.9-34.2
サウジアラビアRCの勝ちっぷりがいかにも溜めて切れる系の印象を受けます。と言っても後方待機すれば関係ないと思います。
※枠順である程度予想できると考えています。
何故、枠順である程度隊列が読めるのかというと、東京芝1600mというコースが初角までかなり距離の長いコース形態だからと言えます。
特徴のあるコースは、特徴が出やすいというという事です。