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フリーランス・エンジニア、確定申告初心者必見!経費の科目ってどう分ける?

結論を言ってしまうと、経費の科目は何でもいいんです

売上ー経費=利益

会計帳簿は最終利益が正しく計算されれば目的は達成されるので、経費をちゃんと入力しておけば合格です。

ではなぜ経費の科目をしっかりと分けるのか?
もっとたくさんのお金を稼ぎたいからです。

それでは早速解説行きましょう


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①不真面目な会計帳簿

ノリと勢いだけで経費を入力した損益計算書

2023年は100万円利益が出ていたのに翌2024年は利益が50万円に減っていますね。
この情報だけだと、なんだかよくわからないけど次の年も根性と気合いで稼ぐしかありません。

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②真面目な会計帳簿

より詳細に経費を分けた損益計算書

経費を真面目に分けて作った損益計算書です。
利益が50万円減少した原因が見えてきました。

1年目に開業して頑張った広告費は2年目は抑えたので減少しました。
一方で1年目が思いのほか好調だったので、調子に乗って交際費を使いまくってしまいましたので交際費が倍になり50万経費が増えました。

さらにいろいろと追加で買った物品なども増えて雑費が増えてしまったのでここも50万円増えてしまいました。

  • 利益が減少している原因をはっきりすることができた

  • 交際費を増やしたにもかかわらず売上は横ばいのため無駄だったかも、売上増加につながらないのなら来期は減らすべきか

  • 雑費が増えているが、雑費だけでは交通費なのか、消耗品なのか、支払手数料なのか内訳がわからない。ここはもっと細かく勘定科目を分けて仕訳をすることでさらに分析を行うことができるようになる

経費をしっかしと勘定科目に分けて仕訳入力することで、これだけの追加的な情報を引き出すことができるようになりました。
これが経費科目をしっかりと分けて帳簿を作るメリットです。

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③経費の勘定科目一覧

こんな感じで分けていきましょう

役員報酬:役員の毎月の給料
給料手当:従業員とアルバイトの給料
福利厚生費:役員と従業員の社会保険料

外注費:WEBページやアプリ制作、動画編集など外部へ委託した費用や毎月の保守費用

広告宣伝費:人材採用費用やSNS等への広告費用

通信費:インターネット使用料・携帯料金・Wifi料金、郵便代など

消耗品費:10万円未満の物品の購入費用。スマホやタブレットでも10万円未満であれば消耗品費で一括して計上

新聞図書費:通信教育や資格の学習費、専門書籍の購入費用、店舗に置く雑誌など。
こどもの絵本は経費に入れないように!

交際費:取引先との会食や手土産代。懇親会会場費用や参加費など。
私的な食事をいれないように!

会議費:カフェでの打ち合わせ費用や作業時に利用するコーヒー代お茶代。
食事部分は計上することはあまりおすすめしません。
〇〇セットのような分けることができないものはその金額で計上するしかないと思います。

水道光熱費:電気ガス水道料金。自宅で開業している場合は、作業スペースの面積や1日の作業時間などの割合で分割するように注意。

旅費交通費:電車・タクシー・新幹線・ホテル宿泊費などの出張費用。出張手当を支給する場合もこれ。

車両費:ガソリン代や車関係の車検代・保険代などの諸費用

支払手数料:銀行振込手数料、システム利用料、弁護士・税理士・社労士など専門家への支払い報酬など

地代家賃:事務所の家賃、自宅の場合は家賃を作業スペースの面積割合に分割。駐車場や土地の賃貸費用など

保険料:火災保険・損害保険など事業に関連する保険料。個人用の生命保険は個人の確定申告で控除するため事業所得の経費には計上しない。

租税公課:印紙代、消費税(税込み経理)など。住民税や所得税の支払いはここに計上しないように!(よくある間違い)

減価償却費:10万円以上の物品の償却費用額(減価償却費についてはまた別記事で詳しく解説します)

雑費:上記以外その他。分ける科目わからないもの()

こんな感じで勘定科目を分けて使いますが、必ずしも厳密にこれに分けなければいけないということでもありません。間違っていたからダメということもありません。例えばnoteの購読料を新聞図書費と迷って通信費に計上していても間違いではありません。あとから自分の決算書を見たときに概ね分析できる精度があればよいと思います。

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④メリットはお金を借りたい、補助金申請したい時にも出る

綺麗に経費を分けて分析をするくらい綺麗な決算書もできました。

これから銀行に事業拡大のための借入金を申し込みに行きます。
決算書が必要です。
設備投資のための補助金を申請します。
決算書が必要です。

お金を借りるにも貰うにも決算書が必要です。
借りたお金を何に使うのかが見えるのが決算書です、特に経費の部分はお金を何に使ってきたのかよく見えます。
綺麗な決算書を作っておくことは審査のうえでも読みやすく評価も良くなるでしょう。何にお金を使うかわからない人にお金は貸せません。

自分の商売がどのような活動をして売上を上げて利益を稼いでいるのか表現するのが決算書です。
いつでも出せる状態で綺麗に整えておきたいですね。

終わり

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とうし会計士税理士の独り言

決算書の数字について最終的な責任はだれが負うでしょう。丸投げにしていた場合税理士でしょうか。それはたぶん違うと思います。利益が出たら納税するのは経営者自身ですし還付金があるなら経営者の商売の資金として戻ります。最終的な数字についてはすべて経営者が責任を負います。
そのため決算書を作る過程の経費の選別についても税理士はアドバイスはしますが経費として計上する/しないといった最終的な意思決定は経営者本人が行います。経費として計上してよいかグレーな経費も税理士がOKといった=税務署もOKということにもならないことに注意が必要です。
 ただ、経営者の仕事は本業に注力して売り上げを伸ばすことにあると思いますので、こういった経理業務の細かいところまで時間を割くことも合理的ではなく、グレーの経費を迷ってグダグダ判断するよりもグレーな場合はいったん全部計上「する/しない」というのを決めてしまって、一度決めたらその処理は継続して決算書を作るという方針にするのもいいかもしれませんね。結局細かい経費処理に迷ったところで時間はもったいない、金額も大したことのない小さな経費であれば後で否認されたところで追加の税金の金額も大したことにはならないので一定の金額で判断に迷ったなら機械的に処理をするということも大切かもしれませんという独り言でした。


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