週刊 マーケットを読み解くゼミナール 2021年7月26日【国内、海外ともに決算発表を見極める週】
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週刊 マーケットを読み解くゼミナール
2021年7月26日号
講師:神代龍児(こうじろりゅうじ)
【国内、海外ともに決算発表を見極める週】
今週の国内株式は、先週見られた米国株式相場の急上昇に促されて改めて戻りを試す値動きになりそうです。ただ、国内での新型コロナ感染状況の悪化が国内経済や政局に与える影響を見極めたいとして上値は限定的でしょう。とりわけ、中期的なトレンドがやや下方向に傾き始めていることを前提にすれば、25日移動平均線(先週末時点で28490円)のある28000円台半ばが上値めどとして意識されます。
そうした中、国内決算発表シーズンの前半の山場となる28日(73社が決算発表を予定)、29日(同156社)、30日(同466社)において、その内容(今年度業績予想の修正の有無など)を見極めることになりそうです。
一方、今週の米国株式は4-6月期決算発表シーズンの佳境となる、GAFAM各社の決算発表を見極めながら底固い値動きになるでしょう。特に、米長期金利の大幅低下が株価の下値を支えます。ただし、27-28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)において、仮にテーパリングの開始時期が市場予想(昨年初め)より早まることが示唆されれば、相場が神経質な動きに転じる可能性があることには留意しておく必要があります。
<世界潮流への乗り遅れ懸念>
(日米株価の格差が明確)
先週の日経平均株価は下値を試す展開となり、20日(火)には27388円(終値)と昨年末の終値27444円を割り込み、年足でマイナスとなりました。しかし、日本の連休中に米国株式が堅調であったことを受けて、今週は28000円台を回復してスタートしそうです。
それでも、米国株式とのパフォーマンス(騰落率)の差がはっきりと開いてきました。昨年末を100としたグラフを見ると、先週末時点でナスダック指数が115.1、NYダウが114.6であるのに対して、日経平均株価は100.4にとどまります。すなわち、年初来の騰落率はナスダックが15.1%高、NYダウが14.6%であるのに対して、日経平均株価はわずか0.4%高にとどまるということです。
特に、今月の動きが対照的で、6月末を100として比較すると、ナスダックが102.3(前月末比2.3%高)、NYダウが101.6(同1.6%高)とプラスの騰落率を維持しているのに対して、日経平均株価は95.7(同4.3%安)と下落しています。
仮に、今週初(26日)に日経平均株価が28200円まで急伸したとしても、前月末比ではなお2.1%安です。プラス圏に戻るには先月末の28791円を超えなければなりません。
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