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予想・予測に頼らない投資について:②インデックスファンドのパッシブ運用が一旦の正解である理由について

少し長いタイトルになってしまいましたが、予想・予測に頼らない投資シリーズの2回目です。

今回は「インデックスファンド投資」について予想・予測の観点から説明します。

タイトルに<パッシブ運用>と書きましたが、例えば新NISAでつみたて投資枠を使って投資する場合
・毎月決まった時に
・決まった金額を
・マーケットの動向に関係なく

投資をすることになります。

投資タイミングを読まずに(今は投資する・今は投資しないといった判断を行わない)定時定額で受け身に投資を行う方法をパッシブ運用と言います。反対にマーケットの状況を見ながら投資タイミングや投資金額をコントロールし、機動的に売買を行う運用をアクティブ運用と言いますが、インデックスファンドへの投資は大抵がパッシブに運用するものなのでここでは「パッシブ投資を行うこと」を前提として記載します。

言い方を変えると投資のやり方次第では、オルカンであっても機動的に売買する運用の仕方も可能ですがここではそういったケースは割愛します。

ここまでの説明で実は予想・予測に頼らない投資の手掛かりとして「インデックスファンドのパッシブ運用」が挙げられることが分かるわけですが、その理由をインデックスファンドの特徴から整理したいと思います。

①インデックスファンドの中身
インデックスファンドは特定の指数(インデックス)に連動し、そのパフォーマンスに追随するように設計しているものです。よく「平均を目指す」というフレーズが出てきますがインデックスファンドは完全一致ではないものの、ベンチマークとして挙げている指数に連動したパフォーマンスとなります。

このため、インデックスファンドがベンチマークとしている指数が何かによって中身が変わってくることになります。


例えば「オルカン」にはこういった説明がついています

全世界株式の場合、全米株式の場合、日本株の場合、新興国株式の場合とそれぞれ商品ごとに決まったベンチマークがあるわけですが、そのベンチマークはいずれにしても何かしらの指数であり、それをさらに分解すると指数を構成する株式銘柄ということになります。

この構成する株式や指数を「自分で考えなくて良い」という商品設計で作られていることがインデックスファンド最大のポイントです。

予想、予測の対象によく挙げられるネタとして「どの国のマーケットが伸びているか・落ちているか」の話が出てきます。

例えば伸びているものに追随する投資方法を採用している場合、現在グングン勢があり価格が上昇しているものを買い、価格が下がっているものを売ることになりますし、今は伸びていなくても将来伸びると思われるものに投資する場合、価格が安く将来性が期待できるものを中心に買っていきます。

こういった行為に影響を与えるのが予想・予測です。

ところがインデックスファンドをパッシブ運用する場合、どこが伸びてどこが伸びないかを意識する必要がありません。S&P500に連動するインデックスファンドであればS&P500のどの会社が伸びるかを気にしなくて良いですし、オルカンであればどの国がいけていて、どの国がダメダメかを気にする必要がありません。

インデックスファンドを肯定する人達の中で、「オルカンを買っておけば良い」と結論付けられているのは予想・予測の世界と決別できる点、その部分において負担が少ない点が理由となっています。

②インデックスファンドの商品設計

インデックスファンドの商品設計・特徴については山崎元さんが「市場の平均を持つ」という表現で説明されているものが1番分かりやすいのでその話を紹介します。

・インデックスファンドは市場の株式の平均を持つ運用
・市場全体からインデックスファンドの運用部分を除くとアクティブファンドの運用のみとなり、その平均は市場全体の平均と一致する
・故にインデックスファンドはアクティブファンドの平均を持つ運用と同義

という前提を置いた上でアクティブファンドを運用する人たちが売ったり、買ったりする際に支払うコスト(手数料・税金)によってインデックスファンドのパフォーマンスは押し上げられるため、市場の平均を持っているインデックスファンドの保持はアクティブファンドの運用よりも有利である。
と説明されています。
(インデックスファンドの売り買いは行わないことが前提の論のため、パッシブ運用を前提としています)

市場の平均に投資する=パフォーマンスが市場平均と同じではない点に注意してください。

③インデックスファンドは勉強しない人の味方?

運用と商品選択(大前提としてどのインデックスに投資するかの選択は除きます)、商品設計において「黙って買って保持しておくだけ」の投資ほど楽なものはないと思います。

通常投資は「勉強することが前提」です。
・商品の特徴
・リスク
・ポートフォリオ構築
・アセットアロケーション
・商品分析
・株式の場合、チャート・ファンダメンタルなどの分析
・メンタル、マインドセット
など様々なことを時間をかけて勉強し、理解した上で投資をすることが求められます。

ですが、インデックスファンドはこれらのことを行わなくても投資が可能です。極端な話、インデックスファンドの中身や商品設計・特徴を知らなくてもお金と証券口座があれば投資できてしまう作りになっています。

これはそもそもインデックスファンドの特徴として、忙しく勉強する時間がない方でも投資・運用に参加できるように設計されているからであり勉強しない方・勉強する時間がない方の味方とも言えます。

さらに言えば「予想・予測なんかしなくても投資できる」商品ということです。

タイトルの話に戻りますが、予想・予測に頼らないようにするにはどうすれば良いかと問われた場合一応の解決策としてまず提示できるのは「インデックスファンドをパッシブ運用すれば良い」ということになります。

インデックスを買ってコツコツ投資するのであれば予想・予測は無視できますし、そもそも投資の勉強自体も不要と言って差し支えないと思います。

そうではない投資を行いたい方やインデックスだけでは物足りない、あるいはもっとアグレッシブにインデックスよりも高いパフォーマンスを上げたい場合は勉強が必須であると同時に、別のアプローチで予想・予測に頼らないように取り組んでいく必要があるということになります。

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ゆるっと投資@投資診断士
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