ETFバブルと日銀ETFの話
上は約4ヶ月前、3月12日のブルームバーグの記事です。
NVIDIAの2倍の変動率で動くブル型ETFに2億5200万ドルが流入したと話題になりました。
そして6月25日は同NVIDIAのETFに3月の約3倍の7億4300万ドルが流入したと話題に。
そのNVDLの日足チャートがこちら。
チャートには表示されていませんが3月8日終値が39.76ドル
それが6月20日には高値91.7ドルまで上昇。
そして8月5日安値34.25ドルまで下落し、8月16日終値は64.75ドル。
かなり荒い値動きになっています。
ちなみに、NVIDIAの株価下落時に上昇するベア型のETFも販売されています
。
こちらは通称NVDD。
NVIDIAの株価が下落した場合に上昇する
ETFですが、こちらは2倍ブルとは違い逆数(反対)の1倍(100%)連動となっています。
8月16日の出来高をみると上昇に2倍連動するNVDLが2000万株超。
下落に1倍連動するNVDDは200万株を下回っており、圧倒的に買いのETFの需要が大きいですね。
このNVIDIAのETFを販売しているDirexionはNVIDIA以外に、Apple、Tesla、Amazon、Alphabet(Google)、MicrosoftのレバレッジETFも販売しています。
他にはS&P500の3倍の変動率で動くレバレッジETFや、フィラデルフィア半導体株指数の3倍の変動率で動くレバレッジETFを販売しています。
今年1月には米国市場で10本の現物ビットコインETFが上場し、それを材料視してビットコイン価格が上昇する場面がありました。
こうしたETFが現物市場に影響を与えているのは間違いありません。
しかし、大して動かない指数のレバレッジETFがあるのは分かるのですが、
ボラティリティの大きい個別株のレバレッジETFは、やり過ぎ感が否めません。
狂っていると思いますし、バブルの匂いもしますが・・・・ニュースになったNVDLへの7億4300万ドルの流入はきょうの為替レートで計算すると日本円にして1084億円。
今から8年前、2016年8月辺りから2020年にかけて日銀はETF買いを加速し、数日おきに1日700億円超のETFを購入していました。
2020年3月には1日2016億円もETFを購入した日が4営業日もありました。
NVIDIAのETFへの資金流入が話題になっているのをみて、改めて日銀は相当な額のETFを買っていたんだなぁとしみじみ。
それが当たり前で全く話題にならなかったことに異常性を感じます。
白川日銀総裁時代の2011年からはじまり、今年2024年で打ち切られた日銀のETF買いですが買入額は総額で37兆円。
その後は株高の恩恵で、今年4月時点で保有額の時価74兆円と推測されています。
このETF買いが市場を歪めたのは間違いありません。
今は完全に忘れられていますが“なかったこと”には出来ません。
今回、日銀の利上げが暴落の切っ掛けになりましたが、いつかこのETFへの言及が市場を揺るがすことになるかも知れませんね。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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