見出し画像

FRB利下げ後の日経平均株価

9月18日のFOMCでFRBは0.5%の利下げを決定。

7月雇用統計以降に発表された経済指標は概ね市場予想を上回っており、8月中旬以降の米国株は堅調に推移していました。

ですので、今回は0.25%の利下げになるのではないかという見方も多かったのですがFRBは0.5%利下げに踏み切りました。

9月18日、FOMC当日の米国株は主要3指数とも小幅に下落しましたが、翌営業日は大幅高。ひとまず株式市場はFRBの利下げを好感しているようです。

利下げ=金融緩和ですので株高要因と考える方も多いと思いますが、改めて2000年以降にFRBが利下げに転じた後の日経平均株価がどう動いたのか確認してみたいと思います。

FRB政策金利推移グラフ by Investing.com

上のグラフの赤枠で囲ってある部分が利上げ打ち止めから最初にFRBが利下げに転じたところ。

まず、2000年代最初にFRBが利下げに転じたのが2001年1月の0.5%利下げ。
次が2007年9月の0.5%利下げ。
そして最後が2019年7月の0.25%利下げ。

日経平均株価 月足(2001年~)

見難く申し訳ないですが、上は2001年以降の日経平均株価月足チャートです。
過去、FRBが利上げから最初に利下げに転じた2001年1月、2007年9月は利下げ後に株価は大きく下落しています。
しかし直近の2019年7月は暫く上昇が続きました。

2008年以前はリーマンショック前で今ほど中央銀行の存在感は強くありませんでした。
2008年以前とそれ以降では時代が違うとみた方が良いかも知れません。
景気後退を示唆する代表的なシグナルが逆イールド現象。

逆イールドとは、短期金利が長期金利の水準を上回る状態(長短金利の逆転現象)を指します。一般的に、過度な金融不安や過激な政策変動により短期金利が急騰したことで生じるために、その発生後は景気後退が訪れるケースや株価が調整に転じるシグナルとされています。米国の国債市場で3ヵ月物米財務省短期証券の利回りが、10年物国債の利回りを上回る長短金利の逆転が起こることが代表的な事例となっています。

SMBC日興証券HPより

2019年もこの逆イールド現象が発生し、景気後退が近いのではないかという声がありました。

しかし、逆イールド現象が発生しても景気後退はなかなか訪れず、結果的に景気後退を齎したのは翌年2020年2月に発生したコロナ禍でした。

たらればの話はしても意味がありませんが、もしこの時にコロナ禍が発生していなければ株式市場が今頃どうなっていたのか興味深いところです。

2001年はITバブル崩壊と9.11ショックが利下げ要因。
2007年はサブプライムローンバブル崩壊が利下げ要因。
しかし、2019年と今回2024年の利下げに関しては明確な材料が見当たりません。

強いて挙げるなら、2019年は前年2018年末に金利上昇とFRBの利上げによって株価が急落したクリスマスショックが発生しています。
これでFRBは年明けの2019年早々に利上げ打ち止めを発表し株価が反発した経緯があります。

2018年12月の米長期金利が3%付近でしたので、私は5%を超える金利に米経済が耐えられないのではないかと考えていたのですが、現時点では涼しい顔で耐えダウ平均とS&P500は過去最高値更新中。

消費もいまのところ翳りを見せていませんし米国の経済は堅調にみえます。

ただ、大きな話題になってはいませんが米国の国債利払い費や政府債務は問題視されており、ローン延滞率は上昇、貯蓄率は低下。

・・・ですので、私は株価が示すほど米国の状況は良くないのではないかと見ています。

正直、いまの株高はコロナショック後の財政出動と中央銀行の金融緩和が生んだバブルではないのか?という気もしますが、、、GDPや企業業績が伸びているのは事実。

そこが鈍化しなければ基本株価は堅調に推移するとシンプルに考えて対応すべきでしょう。

ただ、日本株は8月の暴落以降どうも様子がおかしいですし、全体相場を先導してきた半導体株のトレンドも崩れていますので慎重なスタンスは変わりません。

年末=株高、米大統領選後=株高という固定観念は持たず、状況をみて対応していきたいと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?