栗林公園「歩くジェットコースター!」
Youtubeでは、栗林公園の散策を8倍速で動画にしてみました。
noteの方では、動画のタイトルにもなっている「栗林公園=歩くジェットコースター」説について解説します。
現代人は楽しみにくい「日本庭園」
日本三名園と呼ばれる兼六園、後楽園、偕楽園や、京都のお寺の枯山水など、日本庭園は各地で「観光スポット」となっていますが、皆さんどの程度楽しめているでしょうか?
私は確か4~5年前に金沢の兼六園に行ったはずなのですが、「行った」以外の記憶がありません…。多くの人がこんな感じなのではないかと思います。
なぜか―それは、日本庭園が「わかりにくい」からです。
日本庭園は「仏教思想の〇〇を庭園で表現している」とか「この松は〇〇というエピソードから名前がついている」とか、鑑賞に必要な情報がたくさんあり、それを知らずに庭園を眺めると、目の前の風景は「ただの池と岩と松」で終わってしまいます。楽しみ方としては「見るもの」ではなく「読むもの」と言ったほうがよさそうです。
現代人は、必要な情報は学校やテレビやSNSが教えてくれる→あとは現地で絶景バーン!→「いや~感動した!」となる『与えられる鑑賞』に慣れていますから、日本庭園のような『積極的に読み取る鑑賞』が苦手なのは仕方ないと言えば仕方ないところです。
でも、日本庭園は「メディアが発達していなかった時代の壮大な表現手段」と思って、わからないながらも「昔の人は大掛かりなことをやったもんだなぁ~」と感じるくらいはしておきましょうね…。
「栗林公園」は一味違う?
さて、今回ご紹介した栗林公園も代表的な日本庭園なので条件は一緒なはずが、あまり期待せずに訪ねたところ「案外いいじゃん」という感想でした。
なんでだろうと考えてみると、他との違いは一言でいえば「起伏」なんじゃないかと思います。
ポイント①迫る絶壁
ポイント②見え隠れする水面
ポイント③繰り返すアップダウン
と動画で紹介したのは、どれも園内の起伏(高低差)の大きさによるものでした。日本庭園のイメージは平ら(で奥の方がちょっとこんもり)だと思うんですが、栗林公園は自分が歩く順路の起伏が大きかったり、園の端が標高100mを超える山だったりします(山肌から滝も流れてたり)。また、池の周りには小高くなっている「展望所」的なところがたくさんあります。
岩や松のいわれを読み取るのに慣れていない現代人のわれわれでも、「展望台から景色ひろびろ~」とか「山の滝でマイナスイオ~ン」とかは馴染みのある行動なので、日本庭園用の鑑賞スタイルをインストールし直さなくても楽しみようがあるわけです。
そんな「ぐるぐる回りながら体感できる変化を楽しむ」をわかりやすく例えられないかなぁ…と思ってつけた名前が『歩くジェットコースター』。どうでしょう、栗林公園の魅力が伝わりますかね?
そう言えば、栗林公園は欧米の代表的な旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド』の日本版(2009年)で、最高評価の三ツ星(わざわざ旅行する価値がある)でした。日本の歴史や文化を勉強しなくても『歩くジェットコースター』で魅力を十分体感できるところが、高評価の理由なのかもしれません。
おまけ:お土産処「栗林庵」
高松では、こじゃれたお土産をまとめて買えるようなところがあまりないのですが(高松駅の土産コーナーはコンビニの一角だったり…)、栗林公園のお土産処「栗林庵」はコンパクトながら色々なものが揃っていておすすめです。
今回購入したのはこちらの5点。
左下から時計回りに
〇伝統工芸品「高松張子」の寝牛(動画にも登場)
〇小豆島のオリーブパスタソース(ペペロンチーノ味)
〇和三盆糖のコーヒーシュガー(まろやかな甘さ、我が家の常備品)
〇揚げたうどんのスナック(食べだしたら止まらないやつ)
〇瀬戸内レモンケーキ(「瀬戸内レモン」と言われるとなぜか買っちゃう)