
〝あなたの行く末を案じてやまない〟
あなたと歩む世界は息を飲むほど美しいんだ
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あなたの生きる時代が迷いと煩悩に満ちていても
晴れ渡る夜空の光が震えるほど眩しいのはあなた
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あなた以外思い残さない
大概の問題は取るに足らない
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多くは望まない神様お願い
代わり映えしない明日をください
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何度聞かれようと変わらない答えを聞かせてあげたい
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あなた/宇多田ヒカル
これは宇多田ヒカルが子どもを思って作った曲、と言われている。
過去の記事でも書いたが、私の祖母はパーキンソン病を患っている。
要介護度は5、もうほぼ寝たきりで話すこともままならない日もある。
それでも必ず、「心配かけてごめんね」「お腹空いてない?」「寒いから布団かけなさい」と母と私にやさしい声をかけてくれる。
「体調が悪い」と言うと「可哀想。もう早く帰りなさい。」と言ってくれる。
いつも1人で病院にいて、本当はとっても寂しいはずなのに。もっと長い時間いてほしいはずなのに。
自分のことより娘や孫のことを心配するような、とっても愛情深い人だ。
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ああ、この曲は祖母のような人のためにあるんだろうか。
私の母も負けじと身を投げ打ってでも子どもを助けるようなところがある。
もちろん、うまくいかないときもあるし、傷つけられたことも沢山ある。
親しき仲でも禁句のような事を言われるときもあるし、他所から見たら毒親なのかもしれないし、共依存なのかもしれない。
それは他人から見たときのはなし。
誰から何と思われようと私は私の目で母を評価したい。
細かいところも総括してまるっと、素敵な母だと思う。
私も子どもを授かる頃には、この歌詞のような素敵な情を持つことができるのだろうか。
自分さえ愛せてない私が、誰かを大切にできるのだろうか。
男の人と家庭を築く自信すらない。
幸せになれるのだろうか。
愛し愛され、笑ったり泣いたり、話し合って喧嘩をしながら、長い時間を一瞬の人生として思い出にできるだろうか。
父親に恵まれなかった。
悲観的でコンプレックスだらけで、なのにプライドが高いあの人にかけられた呪いも、まだ解けていないような気がしている。
血の繋がりのある20年以上も過ごしてきた親でさえ敵に変わるのに、変わらずに私を思いやってくれる人を見つけられるだろうか。
私はその人のことを、変わらずに愛情を持って接してあげられるだろうか。
誰かを信じることができるだろうか。
わからない。不安だ。