燈籠坂大師の切通しトンネル
みなさま いつも見ていただき感謝でございます。
写真家の立澤重良です。
私の住む千葉県は冬ツーリングのメッカとも言え、今の季節になると週末は多くのライダーをみかけます。
写真を撮るスポットして人気なのは袖ヶ浦市の通称「千葉フォルニア」ですが、こちらは路駐が問題となり最近では撮影が難しい現状のようです。
もう一つは今回ご紹介する富津市の燈籠坂大師の切通しトンネルです。房総半島は高い山がないので、峠道をつくるよりもトンネルを掘った方が早いので、素掘りのトンネルや切通が数多く存在します。
今回はこの燈籠坂大師の切通しトンネルでの愛車撮影のポイントを書いてみます。
はい、縦構図でこんな感じで撮ってみました。
トンネル撮影の場合、トンネルの先をバイクで隠さないのがポイントです。写真を見る人は無意識に構図内にある導線に沿って視線を動かします。その際に道からその先、つまりトンネルの出口にむかって視線が動くので、それを妨げないようにしましょう。
技術的に難しいポイントは露出です。光のある場所と暗部の差が大きいのでイメージ通りに撮れず苦しんだ方も多いと思います。真っ暗にツブれた部分、真っ白にとんだ部分をコントロールするとは露出と構図はセットであると知ることです。
明るい部分と暗い部分のバランスが悪くならないよう、難しい場合は何度も試し撮りして理想的な露出と構図のバランスを作ってみてください。
今回は絞りは開き気味にしてトンネルはあくまで背景、主役はスーパーカブとハッキリと割り切りました。絞りを開いて背景をボカすことで主役を浮き立たせて見せることができます。注意点として極端に開くとバイクがミニチュアのように見えてしまうので画角にもよりますがF5.6くらいで十分だと思います。
構図はメイン被写体であるスーパーカブをフィボナッチ螺旋構図(黄金比)を使って配置しました。
この構図は中学校の美術の授業にも出てくる有名な構図ですが、あまり写真で使っている人はみかけません。フィボナッチ螺旋はオウム貝の断面、海岸線などの自然地形、人のDNAなど自然界のあらゆるものに存在する神秘の比率です。
ダヴィンチの絵画などにも使われている、直感的にしっくりくる究極のバランス構図と言えます。
Lightroomなどでフォトレタッチをする人は壁面の岩肌をマスクして質感を上げることをお勧めします。テクスチャーのスライダーを少し上げるのです。この質感を上げるというテクニックを覚えると、マフラー、エンジン、カウルといった具合に車体のパーツ素材に合わせて個別に質感調整できるようになり、雑誌カメラマンのテクニックを身に着けることができます。
バイクがカッコよく見えるアングルですが、ここでは簡単に書いておきますがとにかく大胆に切り取るという言葉を覚えておいてください。そのバイクが最もらしく見えるアングルがピンポイントで存在しています。様々な角度でバリエーション撮影して、帰ってからじっくり吟味して選別しましょう。
光量の限られた場所ですのでシャッター速度が低下しやすいです。ブレ写真を生まないように三脚の使用、またはISO感度を上げるなど初歩的なことですが注意してください。
燈籠坂大師の切通しトンネルは人気の撮影スポットです。他にも撮っている人たちがいるのでマナーを守って楽しく撮影しましょう。
今日も見ていただきありがとうございました。