【第40話】沖縄本島一周編その⑥ 宜野座村→与那原町
こんにちは、旅する自転車です。
ブログを再開するや否や、執筆が楽しくなってしまって、もう更新してしまいました。今回は、どれだけ続くのでしょうか…。
2018年3月に行った沖縄一周ツーリング。前回は特にみどころのない北部東岸を爆走し、島中部の宜野座村へと到着しました。今回は、どんな景色が待っているのでしょうか…。
▼▼前回のお話▼▼
国道329号および331号の重複区間
沖縄を自転車で走り始めて5日目の朝がやってきた。さすがに疲労が溜まってきたのだろう、起きたのはすでに8時過ぎ。出発する頃には青空が広がり、心地よい走り出しになった。まず目指すのは、ここから南へ30㎞ちょっとにある海中道路。本島南東に突き出した勝連半島と平安座島を結ぶ5.2㎞の道路で、「海中」とはいうものの実際には「海上」を通る堤防や橋などで構成される。ほかは世界遺産の城跡をいくつか巡って、島南部のどこかでゴールにしよう。宿はまだ考えていない。昨日まで走っていた山林の道路とは異なり、今日は住宅や店舗が点々と立ち並ぶ町の風景が続く。うるま市街へ着いた頃には、すっかり都市の街並みに変わってしまった。すでに島の南部エリアへ戻って来たようだ。
今日のハイライト・海中道路へ!
googleマップを見ながら、看板を頼りに海中道路を目指した。丘を越えると目の前に海原が広がり、赤みを帯びた斜張橋が浮かぶのが見えた。さっきまでは不安になる曇天だったが、なんとか天気を持ち直してくれた。両手にマリンブルーを抱きながら、海中道路を走る。半島と島嶼を結ぶ道路のほぼ中間地点に、海の駅 あやはし館が建っていたので立ち寄ってみる。ここでは、海中道路の歴史や平安座島などの発展について紹介する展示室があり、入館無料だったのでじっくりと楽しませてもらった。心地よい潮風を浴びながら、展望台からは眺めを満喫した。この後は国道329号を南下し進んだ。4車線ある主要幹線道路で、まるで面白くもない道だった。乗用車はバンバン走り、ロードサイドにはドン・キホーテなどの大型施設も見られた。
世界遺産・琉球王国のグスク
午後の予定は城跡巡りだ。まずは勝連城跡へ。標高60mから100mの丘陵に、そり立つように巨大な石垣がそびえ、車道からもその迫力ある姿が見られた。急勾配の階段を登り頂上へ。空は曇ってしまったが、つい先ほど走っていた海中道路まで見渡すパノラマだった。ここから南へさらに14㎞、続いては中城城跡へ。国道から約130mアップの山を登る途中、その巨大な要塞の全貌が目に飛び込んだ。城内を足で歩いてみると、地形をうまく利用しているのがよくわかった。美しく積まれた琉球石灰岩の石垣によって区画された6つの曲輪が、坂や階段で結ばれている。複雑に入り組んだ構造で、まるで大迷宮を探索しているような気分だった。
スーパー銭湯タイム!
この後は宿を目指した。中城城跡から13㎞ほどにあるゲストハウスだ。1時間もあれば到着するが、その前にどうしても寄りたい場所があった。沖縄本島に着いてから5日間、一度も風呂に入っていない。いや、もちろんシャワーは浴びているのだが、湯船に浸かっていないということだ。沖縄には入浴する文化があまりなく、これまで泊まった宿は全てシャワーのみだった。大和人(やまとぅんちゅ)の自分にとって風呂に入らないというのは、なかなか受け入れられないことだった。日本人の長時間労働を可能にしていたのは、入浴のおかげだと個人的には思うほどだ。今日泊まる宿も例に漏れずシャワーのみ。ちょうど宿から約3㎞のところに、スーパー銭湯があることを発見。これは遠回りをしてでも行くしかない。いかにも地方らしい年季の入ったスパは、旅人にとっては快適で天国のような場所だった。
そうして宿に到着した頃には、18時を過ぎていた。3月だというのに、さすがの沖縄はまだ明るい。今日の宿は、かなりアットホームなゲストハウス。これまでのような一期一会の交流も期待したが、疲労も溜まっていて、夕食は一人で近所の飲食店へ向かった。これまで海辺の集落や森の中で宿泊してばかりだったので、宿から徒歩圏内に飲食店があることが、ここに来て初めてのことだった。宿主おすすめの大衆酒場に入り、肉やシシトウの串をビールで胃袋に流し込んだ。部屋に戻ると特にすることもなかったので、質素な畳敷の和室でグゥグゥと眠りについた。
6日目へ続く…。