【第58話】埼玉に絶景ロードがあると聞いて
こんにちは。
これは、2018年12月の頃のお話です。
東京も秋から冬へ移り、寒さが身体に染みる季節になってきました。しかしサイクリングの季節はまだまだ続きます。とは言ったものの、遠出してまで行きたい場所も特にありません。
そこで今回選んだのが、埼玉県です。
前回訪れた奥多摩は道路・景色ともに素晴らしく、「都心近郊で面白いサイクリングスポットを探す」という目標を達成することができました。これで満足したと思いきや、終わりがないのが人間の欲望というもの。まだ他に面白い場所はないかとツーリングマップルと睨めっこしていると、「おすすめロード」を示す紫色の道路を埼玉県内に発見! 秩父市の南東部から東へ延び、日高市方面へと至る、その名も「奥武蔵グリーンライン」。愛称が付けられている割にイマイチな道路も多いが、このグリーンラインはマップルのコメントを読む限り、それなりに景色は良いらしい。ということで走ってみましょう。前回に続き、学生時代の仲間と協力して向かいます!
▼前回のおはなし▼
はじまりは、秩父
ということでやって来たのは西武秩父駅。池袋から特急列車に揺られること1時間30分、西武池袋線の終点です。駅に到着したのは朝7時50分。あまりにも早い便のため、乗客はまばらで駅前も閑散としていた。輪行解除して、レッツゴー! まず向かったのが、秩父駅からわずか500m北に位置する、秩父鉄道・御花畑駅。お目当ては改札の横にある立ち食い蕎麦。一番人気だという天ぷらそばを平げる。体に熱とエネルギーがみなぎったところで、改めて出発だ。秩父の街を走っていて、必ず視界に入るのが標高1304mの武甲山。大量採掘により山肌は石灰岩が剥き出しになり、山頂は不自然な三角形をしている。まずは奥武蔵グリーンラインへ向かうため、秩父市街から国道299号を東へ走行。6㎞ほど走ったところで、道の駅が見えてきた。
奥武蔵グリーンラインとは…?
奥武蔵グリーンラインとは、埼玉県入間郡毛呂山町からいくつかの県道を経由して、秩父市の定峰峠へ至る林道コースの総称である……、という何とも大雑把な説明しかできない。というのも、終着点は紛れもなく定峰峠であるが、始点が諸説あるのだ。出典元によってコースが長かったり短かったりする。多くのブログで定義されているように鎌北湖を起点とすると、全行程で30㎞の道のりとなる。今回は、マップルでおすすめされている25㎞間を走る。その途中地点にあたる大野峠から合流する予定だ。ということで、道の駅 果樹公園あしがくぼから国道299号を外れ、名もなき山道を進んでいく。しばらくは見通しの悪い林道だったが、登るにつれ視界は開け、再び武甲山が目の前に現れた。美しい景色に感動していたのも束の間、再び展望のない森の中へと入っていった。林道を走り始めて約9㎞、ついに大野峠の標識を発見! ここからが奥武蔵グリーンラインだ。
駆け巡りたい!奥武蔵の空を
マップルの情報通り、道からの眺望はかなり良い。進行方向左側は崖になっていて、その先には関東平野が果てしなく広がっている。走り出して間もなく、展望台の駐車場が見えてきた。刈場坂(かばさか)峠。標高818mから平野を一望できる。再び走り出すと、この先は樹木が密集し始め、景色はほとんど望めなかった。刈場坂峠から5㎞ほど進むと、「関八州見晴台」の看板が。その名の通り、かつての関東八国を望むほどのパノラマが広がっていた。この後は17.5km、550mダウン。見通しの悪い森の中を幅3mもない小道がくねくねと続く。途中、相方が落車するハプニングにも見舞われたが、グリーンラインの終点・鎌北湖へと到着。無事に下山することができたのでした。
さて、鎌北湖から最寄りの毛呂駅まで4.5㎞、少し遠いけど日高市の中心・高麗川駅までは7.5㎞。30分も走れば輪行で帰路につけるはずが、なぜか22㎞離れた川越を目指した。「以前走ったルートにつなぐ」というマイルールのためである。特に面白みのない幹線道路を爆走。ロードサイドの日帰り入浴で一休みし、川越市駅へゴールしたのでした。
今回は「奥武蔵」とよばれるエリアを走りました。ツーリングマップルでおすすめされていた「奥武蔵グリーンライン」を調査してみましたが、見晴らしの良い道路はごく短い区間のみで、あとは展望のない林道でした。ただ、所々に用意された見晴台から望む関東平野のパノラマは、一見の価値ありといったところです。
みなさんもぜひ訪れてみてください……とまでは言いませんが、埼玉で気軽にヒルクライムができるのは耳寄りな情報です。気が向いたらどうぞ。
次回は2018年走り納め。
ゼッタイに楽しい、サイクリストが大好きなあの場所へ行きます。
つづく