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【第47話】夏、青森の旅はじまる

やって来ました!
青森!

みなさんこんにちは。
今回の舞台は青森県です。
青森県といえば十和田湖や奥入瀬渓流、八甲田山に白神山地と、豊かな自然が広がりますが、私が個人的に目をつけたのは北へ突き出た二つの半島です。本州北端の下北半島と、北海道新幹線の通る津軽半島。「半島」というだけで面白いのはほぼ確定ですが、これらの半島にはさらにスゴい見どころがあるのだとか…。
有給を3日取り土日とガッチャンコで計5日間、自転車でぐるりと周ってきました。みちのく最北の地で、いったいどんな旅が待っているのでしょうか。

今回も「P00」は気にしないでください…。
別件で制作中の地図を引用しています

たったの3時間、東京から青森へ

東京から青森までは約3時間。大宮駅から新幹線はやぶさに乗車し新青森駅下車、さらに奥羽本線で1駅、青森駅に到着したのは朝10時過ぎだった。ここに来るのも6年ぶりだ。7月下旬の気温はというと、曇り空のおかげで快適なくらいだった。駅前には観光施設が集まり、あれこれ見て周りたかったが、北からの引力に導かれ市街地をすぐに去った。大まかなプランでいうと、旅程の前半は西側の津軽半島を2日ほどで巡り、連絡船で陸奥湾を渡り、後半は東の下北半島で3日ほど過ごす予定だ。あくまでざっくりとしたプランニングなので、日毎のスタート・ゴールは決めていないし、当然ながら宿も取っていない。その日のコンディションとモチベーションで行ける所まで行こうという、完璧な計画だ。

青森市街のシンボル、三角形がユニークな「アスパム」
終着駅である青森駅のさらに奥、線路の先にはなんと船舶が。八甲田丸は青函トンネルができるまで、本州と北海道を結ぶ大動脈だった
青森の頭文字「A」を模った青森ベイブリッジ。市街を見渡すことができる

北へ北へ、陸奥湾をゆく

青森市街を出発して、陸奥湾沿いに津軽半島を北上していった。国道280号は海岸通りから一本内陸を通るので海は見えず、さらに住宅地のクネクネした道で割と走りづらい。幸いなことに並走する形でバイパスが通っていたので、こちらを選ぶことにした。見渡す限りの田園地帯。もはや半島であることを忘れてしまうほどだ。無心にペダルを漕ぎ続けると、やがてバイパスは終わり国道へ再び合流した。海が見えた。二つの半島に抱かれた穏やかな陸奥湾は、夏の日差しを受けてブルーに輝いている。気がつくと天気も良くなり、汗ばむほどだった。スタートから30㎞地点にある蟹田港に着いたのはもう13時過ぎだった。ここから下北半島行きの連絡船に乗れるが、それはまた明後日の予定。まずは津軽半島を一周しなければならない。この後は半島を横断して日本海側へ出るつもりだ。しばらく飲食店や商店はないので、この港で昼食をとらなくては。「やきそば」の幟が風になびいている。もうここにしよう。名物でもなんでもない、明らかに地元住民向けの小さな焼きそば屋へ入った。とんでもない量で、食後は胃もたれ気味になった

ベイブリッジを渡れば、もうこの廃れ様。青森市街はとてもコンパクトだった
田園地帯を突き抜ける国道280号バイパス
この快晴は三日後までお預けになることに
人間の顔面の大きさはある。これでたったの400円(2018年当時)。ついでに焼き鳥も食べた

海霧漂う、津軽半島夏景色

半島を横断すべく、蟹田港から西へ進んでいく。地味なアップダウンのおかげで、23㎞の距離に1時間30分余り要した。日本海側は潮風の影響か、空は白くモヤがかっている。シジミの名産地である十三湖や、巨大ローラー滑り台のある道の駅など、気になるスポットもいくつかあったが、あまりのんびりもしていられない。日没までタイムリミットが刻一刻と迫っているため先を急いだ。宿に到着したのは18時を過ぎた頃。日本海に面した、小泊という小さな漁港で民宿をとっていた。朝も早かったので、倒れるように眠りについたのだった。

何一つ面白くない山林を横断。陸奥湾から日本海側へ抜ける
津軽半島の内陸部では、なだらかな起伏のある高原地帯を抜けていく
道の駅 十三湖高原には巨大滑り台が。25歳の社会人が1人で滑るのは控えておいた
ママチャリで走る現地のおじちゃんが早すぎて、なぜかマウンテンバイクで追いつけなかった。悔しい
屋根付き駐車場がツーリストにはありがたい津軽小泊館。コンパクトな畳敷の部屋だが、綺麗に清掃されている

明日は津軽半島一周DAY。
『津軽海峡冬景色』に登場する竜飛崎を目指します。半島北端の地で、どんな感動が待っているのでしょうか。
おやすみなさい。


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