インバウンド訪日外国人が気になっていること。
ちょうど3ヶ月前の梅雨時に、関西空港でお客様を待っていました。着陸から1時間ほどで、マスク姿でお出ましになったお客様。到着階で待つ私を見つけて、手を上げての合図にはお辞儀でご挨拶。長旅の緊張感から解き放たれたようで、お客様の笑顔があふれていました。
水際対策緩和を受けて、本当にありがたいことに、お客様をお迎えする機会をいただきました。空港でお客様と無事に合流、その後ホテルに向かう車中では、必ずお伝えしていることがあります。
お客様が安心して日本を楽しめるように
現在の日本の感染状況や対策と合わせて、観光庁から公表されている「外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン」の必要な部分について、しっかりとわかりやすく説明することを心がけています。ピクトグラムをお見せしながら、感染対策にご協力をお願いしたところ、こころよくお引き受けいただきました。
何度も来日されたことがあるお客様は、基本的な日本の情報についてはよくご存知でした。
基本的な日本の情報は無限にあります。海外からのお客様をお迎えする時に、私がいつも話していることをほんの少しですがご紹介します。
これだけは知っておきたい日本のこと
お水:水道水の安全性、飲用できますか?
お金:紙幣とコイン、どのように使いますか?
お手洗い:公共トイレ等、どのように利用しますか?
消費税:税率の違い、10%と8%があるのはナゼですか?
いかがでしょうか。
自分が旅行する時のことを、思い浮かべてみてください。
旅先に着いたら、まず知っておきたいことは何ですか? ご案内する時のヒントが見つかりそうですね。お客様にあわせて、時と場合に応じて、お伝えする内容を工夫してみることはとても大切です。
水の安全性
特に大切な情報は、お水等の安全性について。新幹線の洗面台などの例外はさておき、日本では水道水は安全に飲用できると一般的に言われています。
海外ではどうでしょうか。いつもミネラルウォーターを飲用している人にとっては、水道水は飲用可と表示されていても、あえて水道水にチャレンジすることには抵抗があって当然です。
そういえば、7月にインドでこんな出来事がありました。水質浄化をアピールするため、州の政治家が川の水を飲んだところ、激しい腹痛におそわれ、病院に搬送されたというニュース。
そのニュースを覚えていて、アジアの水は要注意!というイメージを持っている人がいます。水道水は飲めるという日本では当たり前に思えることも、アジアの水の一般的なイメージとは違うことを覚えておいてください。
TO GOとFOR HEREの消費税
消費税については「お持ち帰り」と「お召し上がり」、英語ではそれぞれ「to go」と「for here」のシチュエーションによって税率が異なることをお伝えしておきましょう。ふらっと立ち寄ったコンビニでお買い物、という場面はよくあります。事前にご案内しておくと親切です。
近頃来日されるお客様には、消費税より、もっと気になることがあるようです。
「早くショッピングしたい!」
久しぶりの来日、しかも歴史的な円安ですからね。一番のお目当てはお買い物とニコニコしながら、新車が買えるぐらいの資金を用意していると話していました。
為替レートがどの程度動いたのか気になり、昨年の米ドル円レートを調べてみました。2021年初頭には103円を付けたレートが、今月は一時144円へ、20ヶ月で下落幅は4割とは驚きです。去年より4割も円が安くなっているので、今の日本はお買い得と捉えられているのも納得です。
円安傾向が続いているので、日本で両替したいお客様もいるでしょう。為替レートが良い両替場所を調べておくと役に立つことがあるかもしれません。海外では、日本以上にキャッシュレス決済が普及しているので、現金をそれほど持たない人もいます。
なので、両替よりもむしろお客様が気になっているのは、どこで何を買うかということ。地元ならではの生の情報、SNSでは、決してたどり着けないような、ローカルならではの情報がとても重宝されます。
いつも買い物をしているお店や、気に入っている品物の話、休日に出かけている場所など、もし良かったら紹介してみるのはいかがでしょうか。地元の生情報は、きっと喜んでいただけるはずですよ。
梅雨時にご案内したお客様には、行きつけのラーメン屋さんをおすすめしました。替え玉にチャーシューましまし、スープは一滴残らず飲み干して、ご満足されたようで何より。お腹いっぱいになった後、高級ブランド店で2時間滞在したことと合わせて、また忘れられない1日となりました。