見出し画像

国宝姫路城を訪れた古い生徒のお話

全面的な開国が近づいてきましたね。なんだか周りがあわただしくなってきました。近頃では、下見とツアー準備のため、縦横無尽に東奔西走しています。

久しぶりに訪れる観光地では、コロナの影響が大きかったことをあらためて感じました。密を避けるため、来訪者の動線を変えたミュージアムがあったり、非接触にするために、説明書きの看板が新たに加わったお城があったり。

通常であっても、

ツアー中は、ありとあらゆることが起こります。

日程表通りに進むといいけれど、ツアーは生き物だから、いろんなことが出てくるんです。なので、もし時間があるのなら、事前に確認できることは、手間を惜しまないでやっておいた方がいいような気がします。

全部を確かめることはできなくても、行ける場所はなるべく足を運んで、自分の目で確かめておくこと。安心感が得られるし、自信を持って本番にのぞめるので、特に新人のガイドさんには下見をおすすめしたいです。

そんなわけで、今まで何度もガイディングしてきた場所へ、久しぶりに出かける機会が増えてきました。先日は、思い立って、電車でふらっと国宝の白鷺城へ行ってきました。

姫路城のコインロッカーに荷物を預けていたところ、後ろから見知らぬ声の男性に声をかけられました。

「ガイドいかがですか?」

てきぱきと導線確認だけのつもりだったけど、インプットの絶好のチャンスと思い、

「はい、二千万円」

と関西人お約束のお支払いを済ませて、日本語ガイドさんのご案内をお願いすることにしました。

名前も職業も明かさない謎の女は、気分転換にやって来た通称とみちゃん。歴史好きの城マニアと思われているようでした。

いっぱい質問するのがとってもよろしい!

と、熱のこもったマンツーマン指導は、いろはの門から二の丸を経て、天守までも、じっくりと続いて行きました。

この葉っぱが多羅葉(たらよう)です

城内では、まさかの正座! 多羅葉の特別講義までサービスしていただきました。通りすがりの人から、

これはなんの会ですか?

と聞かれたりしながら、1時間をはるかに超えて、とても楽しいひとときでした。(姫路城シルバー観光ガイドさんの通常のご案内は1時間30分〜2時間です。詳しいことはホームページでご確認くださいね。)

西大柱と東大柱合わせて1100年のパワーがあるから、修学旅行生には学業祈願で柱に頭をつけることをオススメしているガイドさん。

マスク姿の私を見て、

「ちょっと古い生徒さんには、ボケ防止に頭をすりつけておくと良い!」

スパイスの効いたアドバイスに、一瞬戸惑いつつも、そりゃそうだと納得するしかない。

ご指導に従って、とみちゃんはしっかり頭をつけたとさ、おしまい、おしまい。。。

ステキなガイドさんがいると、観光がエンターテイメントになるんですね。有名人をご案内されたこともある、すばらしい案内人さんでした。姫路城をたっぷりと2時間、とても幸せな時間でした。

秋晴れの白鷺城とインバウンド外国人


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?