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70歳まで働く?!

私が大学生だった頃、定年は一般に55歳だった。
卒業する年に、60歳定年が努力義務となり、後に60歳未満の定年規定は禁止された。
以降、長らく60歳定年が標準だった。
故に、夫も60歳まで働いたら、隠居生活になるのだろうと思っていた。

しかし、高齢化、少子化が進み、年金の基盤が危うくなってくると、65歳までは雇ってちょうだいよ・・ということになり、夫が還暦を迎える頃には、定年再雇用で65歳まで働くことがふつうになった。

まあ仕方ない。
65歳までは働いてもらいますか。

・・と思っていたら、「人生100年時代」。
年金を繰り下げて、70歳までは働きましょう、そうすれば老後は安心です、という声が聞こえるようになってきた。

70歳まで働けだと?

昭和三年生まれの父は、定年退職後もあちらこちらから頼まれて70歳まで働いていた。あの時代の人には珍しかったかもしれない。
70になっても、まだ来てくれと言われていたのだが、いやいやもう疲れたから休ませてくださいとお願いして引退した。
見事だなあと思う。
そして94歳まで、登山やスキーをしたり、油絵を描いたり、俳句を詠んだりして、楽しく過ごしていた。
引退後の人生もそれなりに長くあって良かったと思う。

けれど、誰もが94歳まで生きられるわけじゃない。
100歳まで生きる人は少数派だ。
75歳ぐらいでぽっくり死んじゃうかもしれない。
何歳まで生きられるかわからないのに、70歳まで働いていたら、好きなことをゆっくり楽しむ時間がないではないか。

私は夫が65歳以降も働くことに大反対。
年金はしっかりもらって、一緒に過ごしたい。
もっとも夫は、お小遣い稼ぎぐらいはしたいらしい。
週三日ぐらいならアルバイトもいいかな。
フルタイムではなく、四時間ぐらい?
できるだけ家にいて欲しいのだ。

70歳まで働けなんて、いい迷惑だ。
夫には趣味があるし、今でも仕事よりそちらの方が忙しそうに見える。
だから、退職後は今までできなかったことをして欲しい。
食べていかなきゃならないけれど、何のために生きているのかわからなくなるほど働くのはおかしい。
お金がなかったらなかったで、ないなりの生活をすればいい。
そのための節約は、私がする。
あと1年半。
夫の退職日を楽しみに待っている。

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