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殻を破れない~またやってしまった~

牧野友香子さんの本を読んで、あんなに前向きで明るく、優秀な友香子さんでも、私と同じような悩みを抱えながら生きているんだと知って、少し心が軽くなった。

聞こえないことを相手にいつ言うか?
コンビニなどその場限りの店員さんなら言わない。たいていは何とかなるけれど、何らかのやりとりが続いてやっぱりわからないときは、改めて言うべきなのかごまかして去ればいいのか非常に迷う。
これはしょちゅう遭遇する場面で、基本的にレジ等の店員さんにはいちいち言わないのだけど、たまに想定外のことを聞かれて????になることもある。友香子さんも同じことで迷うらしく、私だけじゃないんだとわかって救われた。

病院での待ち時間は緊張して落ち着かない
これは本当にそう。
診察券に「難聴です。気が付かないときは声をかけてください。」などと書いた付箋を貼って出してはいるのだけど、スタッフも忙しいからたいてい忘れられる。私も友香子さんと同じように、自分の直前と直後に受付した人を覚えておいて、前の人が呼ばれたら次だ!と構えて待ち、自分より後に来た人が呼ばれて、なかなか自分の番が来なかったら確認するということをやっている。
「気が付かないときは声をかけてください」の表現には、実は自分でも違和感を覚える。呼ばれて気が付かないのに声をかけるってどういうこと?と思うからだ。
でも、「肩を叩いてください」も変だし、「私のところまで来てください」もなんだかめんどくさい。
結局のところ、私がどうして欲しいのか、どうすればスムーズに意思疎通ができるのか、相手にわかってもらうことが下手なのだ。
状況によっては、全く問題なく聞き取れることもあるから、なんだ、聞こえるじゃないと思われてしまうこともある。
本人ですら予測不能な状態だから、それを第三者に正確にわかってもらうのはとても難しい。

聞こえないことを伝えると、幼児に話しかけるかのようなオーバーアクションになる
もう会わないかもしれない人に、いちいち難聴を伝えることを躊躇する一番の理由がこれかもしれない。
「耳が悪い」と言うと、途端に口パクになって声を出さなくなる人、ジェスチャーになる人、大声になる人、簡単な言葉で「わ・か・る?」みたいに話し始める人。
どれも不正解。わかりにくい。
ふつうに話しながら、要点(単語)を紙に書いてくれるのが一番いい。
推測は得意だから。
ドラマ「silent」が社会現象になったなんて言われているけれど、まだまだ自分のスマホをサッと取り出して、音声文字変換アプリを使ってくれる人なんていない。

まあ、文句を言っていてもどうにもならないので、友香子さんの行動を見習って、最初に耳が悪いことを伝えようと心に決めて外出したのだが。

来年の手帳を探しに丸善に行き、目星をつけていた手帳を手にして、いざレジへ
「ポイント使えますか?有効期限迫っているのはありますか?」と自分から聞いておきながら、聞き取りが不自由なことを言わなかった。いつもの癖で、なんとかなると思ってしまい。
結果、ほとんどわからなくて、〇〇円使って欲しいと言うことができなくて、「今日は使わなくていいです」と断った。
内心(あーわかんないー)と焦りながら会計を待っているときにふっと顔を上げたら、「耳の不自由な方に筆談します」というポスター。
店内の壁にもレジにも。あちこちにある耳マーク。

なんなのー

こういう店でこそ、「筆談お願いします」と言うべきでしょう、堂々と。
はあああ、またもや自己嫌悪。
ちっとも成長しない。
失敗したなあ。

自分のためなのだから。
自分が少しでも生きやすくなるためなのだから。
聞こえないこと、どうすれば助かるのかをきちんと伝えること。
その経験を積まないと。

次こそは、ちゃんと打ち明けて、助けてもらおう。
そうしていかないと、いつまでたってもコミュニケーションが上手くならない。相手の言うことがわかれば、私はけっこういい答えを返す方だと自分で思うのだ。

ちなみに、かかりつけの歯科医院は、院長はじめスタッフのみなさんが私の耳のことをよくわかっていて、何も言わなくても、院長はいつもマスクを外して話してくださるし、受付の方も筆談をしてくださるので心強い。
同じクリニックに通うのに、毎回毎回「耳が悪いので」と言うのは、ホント心萎えます・・

来年の手帳を買うついでに見つけたこちらの手帳。日付を書き込む方式なので、いつからでも始められ、ちょうどこういうノートが欲しいと思っていたところなので購入。

夜にカフェオレ飲む人いるのかな?私たち家族のようにカフェイン飲んでも眠くなる人たち向けかな?と思いながら。
ホットミルクを飲みながら、寝る前に、今日の振り返り、そして明日の予定を書き込むことにしよう。
「聞き取れません」「書いてください」と明るく伝えるイメトレをしながら。


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