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(4)悶々とする日々 #IPMN

何気ない日常

外科医の診察からひと月、ふた月。
これといった自覚症状のない夫は元気そのもの。
ただ膵臓に、IPMNというちょっと大きい嚢胞があるだけ。
夫が気まぐれでオプションCTを受けなければ、今でも何も知らずに、何も心配せずに、いつもどおりの生活を続けていただろう。
調べたことが、よかったのかどうなのか。

夫は、比較的オペには前向き。
理由の一つが、「破裂したら嫌だから」
嚢胞が大きいため、万が一、外部から強い圧力が加わったりすると破裂することがあるらしい。
主治医いわく、「一気にパーン!といくわけではない」が、徐々に徐々に中身が漏れ出し、その中に何が入っているかよくわからないため、場合によっては大変危険なこともあるという。
もう一つは、「ダヴィンチ受けてみたい」
ガチ理系男の夫は、ロボット支援下手術にかなり興味を抱いたようだ。
主治医「ロボット手術といっても、ロボットが手術するわけじゃないですよ」とはいえ。

再受診

予定の診察日が近付くにつれて、もう少し手術について詳しく話を聞いてみたいと夫婦で思うようになり、診察予約を取った。
「どうしました?」と言われても、どうもこうも、「手術が不安なんです」(私)としか言いようがない。
主治医の説明は、その日も前回と変わりなかった。
嚢胞のサイズがここまで大きいと、まず手術する。
経過観察を続けても、いずれかのタイミングでオペになるなら、体力のある今のうちの方がいい。
手遅れになった患者を何人も見てきた。
がんではない今なら、ロボット支援下腹腔鏡手術で安全に切れる。

特に新しい情報はないまま、病院を後にする。
一ヶ月後、結論を出さねばならない。
驚いたのは、この日の会計、220円。
え?いいんですか、先生。

→(5)に続く

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