(3)サクサク進む診察・検査 #IPMN
肝胆膵内科受診
大学病院をキャンセルし、希望する病院に予約を取り直す。
夫の膵頭部にある病変は「分枝型IPMNもしくはSCNの疑い」。
病変部は5.3cm。
恐らくIPMNであると思われる。
IPMNの場合、その10%は生涯変わらない。
80%は、少しずつ大きくなるが悪くはならない。
残り10%のうち、5%は少しずつ大きくなり、中にポリープができ、そのポリープががん化することがある。
さらに残りの5%は、IPMNは変わらないのだが、他の部分に突然がんができることがある。
嚢胞の大きさが3cmを超える場合は、膵臓専門医による経過観察が必要で、手術になる可能性もあるので、一度肝胆膵外科に相談してみて欲しいとのこと。
造影CT検査、超音波内視鏡検査(EUS)の予約とともに、外科の予約を取る。
CT&EUS
どちらもサクサク進む。
この病院は本当にノーストレス。
自動受付機で受信機を渡され、受信機がブーブーと鳴ったら指定の場所へ行けばいい。
待たされることはほとんどない。
天井が高く、空間が広々としていて、どこにでも座れる。
EUSはもちろん初めて受ける検査だし、説明を読むと多少のリスクもあるらしく、経験した人の中にはものすごく苦しかったり痛かったりで嫌な思いをした人も少なくない。
鎮静剤を使うので、けっこう時間がかかる。
予定の時間を過ぎても、なかなか夫が出てこないので、もしや何かトラブルでも?と不安になった頃に、のそーっといつもの笑顔で夫が出てきた。
鎮静剤がよく効いて寝ていたらしく、何の苦痛もなく、知らない間に検査は終わっていたとのこと。
とりあえずよかった。
肝胆膵外科受診
各種検査から約二週間後、外科の医師の診察を受ける。
肝胆膵領域、そして膵臓がんのエキスパートだ。
医師いわく、
「この大きさだと、まず手術です。もう少し早く手術していれば・・と手遅れになった患者さんを何人も見てきているので・・・・」とのこと。
画像検査の結果、夫のIPMNは充実性もなく結節もなく、悪性化の兆候は何もない。
ただ、大きさが5cmを超える。
その一点が、憂慮すべき材料のようだ。
膵頭部にできた病変は、それが良性だろうと悪性だろうと、切除するには膵頭十二指腸切除術という、消化器系最難関と言われる手術しかなく、膵臓がんと全く同じ術式になるという。
非常にハイリスクなオペである。
そのため、最近は、「嚢胞が3cmを超えたら手術」となっていた治療基準が変わり、大きさに関係なく慎重に定期検査を重ね、悪性化の兆候が見え始めた頃、このまま放っておいたらどうやらがんになりそうだ・・というタイミングを見計らってオペに踏み切るのだそうだ。
(参考)
https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/pancreas/002.html
だとすると、悪性化の兆候が全くない夫の場合、そんな危険を冒してまでオペする必要があるのか?
とりあえず三ヶ月後、再びMRIを撮り、それまでにオペするか、経過観察を続けるかを選択するように言われる。
ここからが私の苦しみの始まりだ。
→(4)に続く
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