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猫と店員。を、見てる俺。
ここに越してきてよかったと心底思う。
四階建てのアパートで各階横並びに四部屋。
階段が一ヶ所にしかなく、そちらを手前とすると、その三階の一番奥が俺の部屋だ。
一人暮らしだから、誰に気を遣うでもないが喫煙者の俺はよく玄関の前でタバコを吸う。
ベランダは大概洗濯物が干してあって狭いのだ。
玄関の前でタバコを吸うようになって、しばらく経ってから気付いたことがある。
その時間帯に、裏のスーパーの店員
松野さんと河合さん7
「河合さんが残業なんて珍しいですね」
一緒にお店を出た、塚本さんが言う。
「そうですね。私も久しぶりに残業しているの見ました」
「明日、河合さんお休みでよかったですね」
「確かに。明日も仕事だと思うと私は残業したくなくなります」
「私もです」
そんな話をして、私と塚本さんは車に乗り込んだ。
キーボードを打つ音だけが響いている。
存在感を出来るだけ消して、私は河合さんの視界に入ってる