『本好きの下克上』というライトノベルにはまっている。①
『本好きの下克上』というライトノベルにはまっている。アマゾンの「1巻目無料」で読み始めて、安くなった頃に購入したり、無料本で読んだりとしながら、いつの間にか最新刊まで読んでいた。
初めにクリックしてしまったきっかけと言ったら、『本好きの』とか『司書になるまで』などの言葉がそれこそ「本好き」の心をとらえたフレーズだったからだと思う。
いわゆる異世界転生ものだ。最近とても多い設定だ。もうひとつの特徴は、前世の知識を生かして、その時代にはないものを作り出していく話。今人気(だと思うんだが)の『ドクターストーン』のようなもの。
私の古い記憶では、前世の知識を生かして、その時代にはないものを作り出していく話として『アーサー王に会った男』という小説があったかな。調べたら、マーク・トウェイン作だった。そうか。一時『ハックルベリーの冒険』(正しくは、『ハックルベリー・フィンの冒険』らしい)にはまっていたことがあった。
『アーサー王に会った男』を読んだときは、自分には絶対無理だなと思ったことを覚えている。今使っている「文明の利器」の仕組みを一切知らずに生活しているから。
さて、『本好きの下克上』に話を戻そう。主人公の「マイン」は、もともとは、大学図書館に司書として就職が決まったばかり女の子「本須 麗乃(もとす うらの)」だ。本に埋もれる生活がしたいから司書になった。家族に「本好きの変人」とまで言われる。
転生した異世界には、本がなかった。いや、本はあったが、紙が発明されてなくて、本は高級品だった。そこで、「マイン」は本を作るために紙を作り、印刷を始める。もちろん、一人ですぐに紙作りや印刷はできない。紙も印刷も人間の長い歴史の中で、それまでの生活を変えてしまうほどの大発明だ。なのに、「マイン」は周りをうまく巻き込んで成功させてしまう。
「餅は餅屋に」という言葉がある。「マイン」は、小さくて体が弱い。やりたいアイディアはたくさんあっても、自分ではできない。だから、職人を育てた。商人を味方につけ、商売にした。
「マイン」がこの異世界で作ったものは、本だけではない。シャンプーやリンス・髪飾り・レストラン等々。生活の改善のために、やりたいと思うことをとにかく周りを巻き込んで実行していく。
それは、麗乃時代の読書によって得た知識の賜物だ。「麗乃」はジャンルを問わず多読だったようだから。実際の経験がなくても本によって得られた知識で世界は広がっていく。
次々と事業を成功させていく展開は圧巻だ。世事に疎い私は、「ビジネス」ってこういう風に展開していくものなんだな、なんて思ったりする。でも、この物語は、それだけの話ではない。「マイン」は、本を読みたい一心から湧き出る行動力とアイディアで、わらしべ長者のようにどんどんと「出世」していく。
次々に難題が降りかかり、どう解決していくのか、次の展開が気になって仕方がない。