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今さらですが毀滅の刃。/HSP気味の私が読んでみました③"貧困と嫉妬が鬼をうむ"
②は下↓です。①と同じような表示方法がわからなくてすみません。
https://note.com/toukou0821/n/ncb7ec7186a8b
子供は親と生まれた環境を選べない
話が前後してしまうのですが、鬼にも悲しすぎる過去があります。
関係してくるのが貧困と親の在り方でしょうか。子供は親を選べません。
花街で人喰いをしていた鬼の兄妹。人間だった頃、兄のほうはやせ細り醜く、花街にふさしくありません。しかしケンカが強く、お金の取り立てを任され身を置かせてもらっています。反対に大変美しい妹は13歳で初めて客をとりますが相手をかんざしで刺してしまいます。その罪は重く焼身させられてしまいます。親のいない子供たちを守ってくれる物は何もありません。
アカザという鬼。今公開中の映画でも出てくる鬼。この鬼の過去も本当に悲惨。病弱な父親の薬を買うために盗みを繰り返しては捕まり、拷問されようと反省もしません。重罪人の刻印をされてもへっちゃら。あまりのひどさに父親が心を痛め「申し訳ない。やり直して欲しい」と遺言を残し首を吊ってしまいます。この子は一体誰の為に盗みを繰り返していたのでしょう。
その後もケンカざんまい。自暴自棄の時に、一人の男(慶蔵)に素手でやっつけられて武道場に弟子入りします。そこの生活で人に優しくされること・人に感謝されることなど、今まで経験したことがない事を教わります。
人は置かれた環境やそこで知り合う人間関係で生まれ変われると思います。
嫉妬が鬼を生む
そして後継者となってほしい事、師匠の愛娘からは逆プロポーズされます。しかし、自分の留守の間に、師匠と恋人は毒殺されてしまいます。理由は隣の道場の人間たちの嫉妬でした。嫉妬に狂い、卑怯な手段を使う人間こそ鬼だと思えました。
復讐で70人余りを撲殺したものの、生きる目的をなくしていたところを無惨(鬼の大親分)に誘われ鬼になります。ケンカ。腕試し。「強いことが全て」という彼の生き方はここから来ていると思います。
それぞれの鬼たちのエピソードもつらいものが多く、心が痛みます。