地方の交通事情、ある通勤バスでの出来事
10月1日から
運転手不足で路線が変更、減便になり、バス時刻が変更になった。
いつもは自転車だけど通勤しているけど今日は雨だったので、
バスで出勤することにした。
ちょっと早めにバス停についたところ、
遠くからやってくるバスの姿が見えた。
あれ?減便したはずなのに、
と思ったら回送車だった。
そしてそのまま通り過ぎていった。
カラバスを運転しているなんて運転手不足ではなかったのか。
とチラッと思った。
わたしの乗るバスは時間通りにきた。
これまでの時刻より10分遅い。
今までは結構満車だったのに、今日の乗客は10名程度だった。
みんなもっと早い時間のバスに乗っているのかもしれない。
今日の運転手は若い人だった。
気が小さいのか神経質なのか、
走り始めては途中のバス停で待っている人もいないのに、
いちいちバスが止まる。
バス停の発車時刻に時間を合わせているらしい。
昨今、いろいろな苦情が横行している。
遅れるのはともかく先に行くとは何事だ!というお叱りがあったのかもしれない。
また先のバス停にさきほどの回送車が止まっていた。
それを見るや否や、運転手はバスを止め、降りて何かを確認しにいった。
事故でもなさそうなのにと、ほかの乗客は不思議そうに彼の後ろ姿を見ていた。運転席から立ち上がった時に見えた、ベルトからはみ出したシャツが彼の人となりを物語っているようだった。
きっと不測の事態が発生した場合には降りて確認すべしと運転手マニュアルに書かれているのに違いない。
彼はそれもきちんと守っているのだ。
ようやく目的地に着き、降車しようとICカードを当てると、
残金が不足していると表示が出た。
そのままチャージしたので同時に乗車賃も引かれたはずだった。
それなのに運転手が、
「お客さん、もう一度タッチしてください」と言った。
「表示をよく見ろ、380円落ちてるじゃないか」という心の声を、
「大丈夫です」に変換して答えた。
運転手はそれでも二度見をして、ようやく頷いた。
こうなると神経質ではなく、ただの新人なのかとも思ったけど、
渋滞を避けた時間だから、新人をあてがわれたのかもしれないけど、
それならこっちは乗客のベテランだ!と、
わたしは威風堂々バスを降りた。
いずれにしても、運転手が人材不足なのは間違いなさそうだ。
地方の公共交通を支えているのは彼のような人なのだ。
通勤通学時以外の時間帯では乗る人がほんの僅かなのも間違いない。
路線変更、減便は仕方のないことなのだろう。
でも交通弱者のために、これからも切磋琢磨して頑張ってほしい、
とつくづく思った。
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