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自分たちの居心地の良い場所をつくる

「自分たちの居心地の良い場所を作っていくんだよ」

これは、入籍する前に父が私に向けた言葉です。

時間をかけて、他の誰でもない「私」と「私が選んだ夫」が居心地のいい家を作っていきなさい、と。珍しく私の目をまっすぐ見て、穏やかに、そして娘に伝えようという意思をもって、この言葉を伝えてきましたた(の、ような気がする)

うちの父はちゃらんぽらんのお酒飲みの親父で、普段しゃべることといえば専らその日の酒の肴をどうするかなのだけど(晩酌大好き人間。そしてその血はわたしにも脈々と受け継がれている)彼の言った言葉のいくつかは何年経っても私の頭にしっかりと刻み込まれています。

彼が、親として一人娘に必ず残したいと決めてた言葉のひとつが、きっとこれだったのだと思います。

結婚したら○○しなきゃいけないとか、奥さんとして旦那さんとしてこうあらねばいけないとか、そういうものに縛られず。自分自身の気持ちや生き方を大事にして。そして一緒に暮らすことを選んだ相手の気持ちや生き方も尊重して。無理に同じ方向を向かなくったっていい、でも「なるほど、きみは今そういう気分なんだね」って受け止めて見守れるように。心地よい距離を、空気を、暮らしを、家を作っていく。

これからもし家庭を営む上で悩むことがあったなら、父のこの言葉に立ち返ってみようと思います。

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