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🍎『算数』と『数学』は同じものだろうか

▼近年のIT技術の隆盛の勢いはすさまじいものがあるが、無論その原動力は情報科学であり、それは数学から発展したものである。

 情報学の母体である高校数学や大学数学は、『算数』の積み重ねである以上、本来もっと親しまれてもよいはずだ。
しかしいま、そうなっていないのはなぜか?

▼以前、小学校で勤務していたときに、四年生の女子児童が整数論の『ユークリッドの互除法』を学んでいるのをみて驚いた。

 そしてやはり、そういった早期の教育方法が、将来の熟達者を育むのだろうと思うと同時に、そのような脚力がない、私のような者がつまずいたのは、どこに原因があったのかと、考えるようになった。

▼一般的には、中学数学で突如『文字や符号の導入』があり、そこで敬遠が開始するのが多いのが現状である。

 だが実際には、『文字や符号の導入』よりはるかに重要な段階がある。

『たし算』と『かけ算』はおなじ

1+1
からはじまる教育は、『九九』の段階で実は大きな転換点にあり、そこで『ごろく さんじゅう』のような丸暗記を強いるのは、よくないことなのかもしれない。

5×5=25

は、『5+5+5+5+5』のロジックの省略形であり、それをうまく伝えないと、その後の内容を把握する際に困難が生じる。

 そして『かけ算』が『指数』になったときに、その上手く内容を伝えないことは、数学敬遠の決定打となる。

『指数』以後はただの『積み重ねロジック』の体系

▼思うに和の記号シグマ『 』や、積分のインテグラル『』などは、数多くの演算の省略、言い換えれば積み重ねであって、本来、それ以上のものではない。

 しかし、『たし算』が『かけ算』や『指数』として使用される際には、解析学では直線のグラフが曲線になるなど、
一見、違ったものであるようにも思われるが、やはり実態はただの積み重ねにすぎない。

 よってうまく『たし算』と『かけ算』および『指数』を体系化すれば十分であるが、それは現状ではあまりなされておらず、個人の力量にのみ頼っていると言っていいだろう。

▼おもえば転換点は小学3年ごろの樹形図にもあった。
もっとも、『組合わせ論』はそれが少し発展しただけですぐに数学オリンピックの題材となり、小学校で扱う内容ではなく、

 数学には、他にもすべてを『○✕』のみで考える論理(二項係数)なども含まれており、全部が『積み重ねのロジック』のみでよいわけでもないが、

 すべてをたし算の体系として学び、重シグマ『∑∑』や重積分『∫∫』を小中学生に解説するのが、現状、ひとつの目標になっている。


追記

素数はあらゆる数体の最小単位といえます。物理学における「素粒子」をイメージするとわかりやすいかもしれません。これ以上分解できない最小のモノは素粒子と呼ばれますが、素数は数の世界における「素粒子」のような存在なのです。

素数の近似公式を果たす「ゼータ関数」 | 九州大学 理学研究院 理学府 理学部



▼素数や自然数がすべての『数体』の根底にあることは、
『たし算』でハイレベルな内容を説明する前提になるかもしれない。

 ときに抽象的なふるまいを見せる数学も、本質は具体的に、ひとつずつ『数える学問』であるはずだ。
 上の表が正しければ、自然数の積み重ねの上に複素数などがあり、誰でもしっかり理解できることになる。

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