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【統合失調症 アノコロ⇔コレカラ】第1回「統合ウサギ」
「統合失調症 アノコロ⇔コレカラ」は、統合失調症を抱えている人の過去と現在、そして未来についての連載です。今後もしインタビューできる機会があれば他の方に聞いてみたいなと思いつつ、しばらくは統合ウサギのことについてお話を書きます。
統合ウサギの アノコロ①
ごくごく普通の家庭に次女として生まれる。よく泣いていたが、比較的おだやかな性格でもあった。両親が小学5年生の時に離婚し、そのあたりからぼんやりしたり、逆に怒りっぽいところが増えていく。高校2年生からヒステリックな言動が増え、高校3年生では集中することができずに受験に失敗。卒業してすぐに様子がおかしくなり、統合失調症を発症する。
病名がわからないまま、20歳のクリスマスに「家を出る」と新幹線で青森まで行くが、警察に保護され母と二人で実家に帰り、翌日に医療保護入院した。
医療保護入院先では本名とは無関係の「あんちゃん」というあだ名で呼ばれる。当初は大部屋での入院であったが、他の患者について「なぜあの人は保護室なのか、早く出してあげて」と訴え暴れたことで自分も保護室に入ることになる。元旦を、ひとり保護室で過ごす。元日の昼に配膳された食事を「食べたくない」と拒否すると、看護師さんが「特別な日の食器だよ。富士山の絵が描かれた羊羹だよ」と声をかけてくれて、床に座りながら箱の上に盆を載せ、泣きながら食べた。それからしばらくして、薬の効果もあり静かに過ごす。
「いい子にしていたら早く出られる」ということに気が付き、入院期間は3ヵ月ほどであった。退院後、しばらくは何もせず過ごし、日中眠くなってしまうことを役所に相談したところ『地域活動支援センター』を紹介してもらう(今でもその地活には通っている)。地活でさまざまな症状の人と出会いながら、コンビニでバイトをはじめる。(第2回へつづく)