森林組合一斉調査の分析
「森林組合一斉調査の分析」
1. この統計調査の駄目なところ
東京都の森林組合などが調査票を出しておらず、データが欠けている。そして、森林面積の時系列分析も調査票を出していない組合があることから正確に計算できない。
生産森林組合の調査票提出率は75%ほどで、25%の組合が調査票を提出していない。提出を求めるべきである。
2. 組合の減少
生産森林組合に関しては富山県と高知県が組合数が平成18年より増えている。これは産業的に珍しいのではないか。京都府の減少が顕著で、ゴルフ場建設との関連が疑われている。京都府ではほとんどの山がゴルフ場である。
3. 森林組合の減少率
年々組合数は減少しているが減少の勢いが2018年から加速している。この原因は調査が必要だと思われる。組合員数は2006年から2019年にかけて10万6191人減少している。組合当たりの組合員数は398人から444人となっており。やや組合当たりの規模は大木菊なっている。
4. 女性組合員比率
女性の割合を見ると南に女性がわずかに多く(それでも15%前後)、これは経済センサスの他産業でもいえることである。住民基本台帳移動報告の女性の転入の比率を見ると男性より九州に転出する比率が高いなどの特徴がみられる。九州に女性が引き付けられる要素があると思われる。
5. 森林管理巡視員を置いている組合比率 森林が無法地帯になる理由
森林の巡視員を置いている組合比率は茨城県と沖縄県が最も高く50%である。ほとんどの都道府県で20%以下である。つまりほとんどの組合は森林管理巡視員を置いていない。こうして森林は無法地帯となっていく。
6. 男女の組合員の平均年収
だいたいどの地域も給与の男女差は同じようなものであり男性の方が1.4倍くらい給与が高い。これは正規雇用かどうかが関わっていると思われる。男性は手取り24万円、女性は手取り17-18万円くらいだと思われる。ただ、女性の方が勤続年数が短いので分析には注意が必要である。
7. GIS導入比率とバイオマス関連施設導入比率
両者は相関し、GISの導入とバイオマス関連施設はセットになっている。工業都市の愛知県と栃木県のGIS導入比率が高い。
8. (収益-費用)/組合員が高い都道府県はどこか、どうすれば収益が上がるか
北海道や沖縄県で収益が上がっている。組合当たりの組合員数が少ない組織ほど収益性が高い。そして、労働装備率が高い森林組合ほど収益が上がっている。経営のコツは非常にシンプルである。
9. 森林組合の流動比率
ほとんどが200%超えであり。財務的には最強の組織である。このことから、森林組合の減少は経営状態の悪化が原因ではないと推測される。人がいなくなったというのが減少の原因ではないか。