夏休み最後の日
夏休み最後の日に、やる事なんて特にありもしない。
「あちい…」
頭皮に汗を感じながら、コンビニまでの道を歩く。
宿題も終わった。
部活動も1日もサボらなかった。(でも万年ベンチ。)
友達とプールに行った。
祭りも行った。
だからと言って、夏休みが楽しいかと言うと別にいつも通り。
いつもよりやる事が少ないから、どこか気怠い。暑い。
それが夏休み。
コンビニでアイスだけを買い、店を出て早々に開けて食べながら歩く。
「暑…」
明日から学校だ。
別に嫌でもないが面倒く際なとは思う。
朝起きるのが怠い。
と、突然空気が変わった。
「あれ?やっほー」
顔を上げると、自転車に乗った同級生が明るい声を出していた。
「何してんのー?アイス?美味しそうー」
語尾をことごとく伸ばしながら、何がおかしいのか満面の笑みがそこにある。
突然のことにびっくりして、自分はただ「あぁ」とか「おぉ」とかしか言えない。
「暑いねー」
彼女は言った。
「でもさ、日差しはこんなに強いのに、風が吹くと少し冷たいなってなる。
夏が、終わるね」
そう言って彼女は太陽を見上げる。
一緒になって太陽を見ると、ギラギラと眩しくて、目を逸らしたら彼女も顔をしかめて手で日影を作っていた。
その腕は少し日に焼けていた。
よく見ると顔も、足も。
そこで目があって、2人であははっと笑った。
「じゃ、明日またねー」
声高らかに、彼女は去って行った。
残された自分はまた歩き出す。
アイスが少し、いやだいぶ、溶けている。
口に入れると、それは火照った身体に染み渡った。
「やっぱ、暑いよ」
明日は、学校だ。
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