本の虫
本が好きだ。
それはもう、きっと私の運命だ。
私は本の中で産まれ、本に囲まれて育った、
本の虫。
本の何が好きって、匂いが好き。
すこしすすけた、古い紙の匂い。
窓から差し込む、薄暗い太陽の光を浴び続けた、少し日焼けしたような匂い。
この図書館にある本は、
もう全て読み終わっている。
小説も、教科書も、図鑑も、辞書までも。
本を読むのは楽しい。
そこには新しい世界が広がっている。
そうして本を読むと、私自身の世界も広がっていくのを感じるのだ。
「君は貪欲だねぇ」
親友は言った。
「生まれ変わったら人間になりなよ。それで今度は本を書いたらいい」
私は笑って頷いた。
生まれ変わっても、
本とともに暮らせますように。
私は小さな虫の足で
ぴょんとその場を飛び跳ねる。
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