彼のいない日の彼女の日常
今日から2日間、彼がいない。
実家に帰るのだという。
同棲を始めてから3か月。
ずっと一緒にいたものだから、なんだか変な気分だ。
「遠距離だね」
と言ったら
「遠距離だね」
と言ってふふふ、と笑った。
繋いだ手のひらはいつもと同じ、温かかった。
早朝、寒くて目が覚めた。
ベットはいつもよりずっと広い。
私はベランダに出て、サボテンに水をあげる。
彼からはメッセージが届いていた。
「もう寝ます。おやすみ」
なんの報告だろう。
私は思わずにやけてしまう。
「今起きました。おはよう」
メッセージを返信した。
そばにいると当たり前が当たり前になってしまう。
でもこのまま、彼は帰ってこないかもしれないのだ。
そんなことをふと、秋の朝の冷たい風を感じながら思う。
日常を大切にするということは、思っている以上に難しい。
「たまにはいない日があってもいいね」
私はサボテンにつぶやく。
非日常が日常を浮き彫りにするのだ。
さて、と私は立ち上がって部屋に戻る。
今日は、大好きな映画をみてアボガド料理を食べてお昼寝をする予定だった。
「彼がいない間にいくつできるかな?」
私は部屋の中でスキップした。
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このお話は、「今日は何の日」という企画で、今日が何の日かを自由に自分で決めてお話を書いています。今日は9月21日。彼のいない日です。▶︎ツイッターにて企画の話や創作の話をなどなど呟いてます▶︎http://twitter.com/toufucoromochi▶︎インスタグラムでは短いお話を画像で読めます(#30秒小説)▶︎ https://www.instagram.com/toufucoromochi
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