海洋散骨とは?海洋散骨の費用や内容、法律上違法ではないのか解説
こんにちは、茨城県水戸市の葬儀社『橙縁社(とうえんしゃ)』です。
人が亡くなると、お墓に入る。
これが今までの常識であり、伝統でした。
しかし、現在では供養の形も選択肢が増え、様変わりしています。
特に、自然回帰をテーマとした自然葬は、年々注目を増しています。
そんな自然葬の中でも、憧れもあり、希望する人が多いのが、
・海洋散骨
なのではないでしょうか?
しかし、『海洋散骨』という言葉を知ってはいても、実際の内容までしっかりと把握している人は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、『海洋散骨』の内容や費用、起こりうるトラブルまで詳しく紹介していきます。
海洋散骨とは?海洋散骨の費用や内容、法律上違法ではないのか解説
では、『海洋散骨』の内容から解説していきましょう。
まず『散骨』とは、細かく砕いた遺骨をまいて、供養する方法です。
お墓を建てる必要がなく、お墓の継承を心配することがありません。
そして『海洋散骨』とは、文字通り海に『散骨』をする方法です。
・海に思い入れがある
・開放的な死後でありたい
など、本人の意向が強くでる供養の形と言えるでしょう。
なぜ海洋散骨が注目されているのか?
今までは、人が亡くなるとお墓に入ることが、当たり前とされていました。
更に、お墓は先祖代々引き継がれていくものでした。
しかし、お墓を守っていく『墓守』の問題が、少子高齢化の影響で表面化してきました。
・故人のこだわりや憧れ
・少子高齢化による墓守問題
・お墓の費用
上記の3つの理由で、『海洋散骨』を供養の選択肢とする人が増えたと言えます。
海洋散骨っていくら掛かるの?
『海洋散骨』は、一般的なお墓と比べ、供養に掛かる費用が割安です。
では、実際にいくらぐらい掛かるのでしょうか?
まずは粉骨から!!
さて、『海洋散骨』の料金を解説したい所ですが、その前にしなくてはならないことがあります。
それが『粉骨』です!!
『粉骨』とは、文字通り遺骨を砕くことです。
しかも、ただ砕くだけではありません!!
2mm以下に砕くのです!!
粉骨する場合は必ず2mm未満に
これは、ちょっとした豆知識ですが、
・2mm以下 ⇨ 粉塵
・2mm超え ⇨ 遺骨遺棄罪
と法律で決まっています。
『海洋散骨』や『樹木葬』など散骨する場合には、遺骨は必ず2mm以下まで粉骨しましょう。
粉骨っていくらで頼めるの?
2mm以下に粉骨すると言っても、なかなか自分ではできませんよね。。。
そこで、『粉骨』業者に頼んだ時の料金を説明します。
もちろん、元々『海洋散骨』を頼む場合、『海洋散骨』業者が料金に粉骨を含んでいるケースもあるので、一度確認をして下さい。
『粉骨』の費用相場は、頼む骨壺サイズによって異なりますが、
・15,000 ~ 30,000円
と考えておけば、大きく外れることはありません。
金額差がでる理由としては、
・水溶性の袋の有り無し
・除菌加工
・洗骨や遺骨乾燥
など、各業者によってサービス内容や、オプション内容が異なるためです。
海洋散骨のプラン内容
それでは、『粉骨』も済んだことだし、『海洋散骨』のプランを見てみましょう。
『海洋散骨』を行っている業者は多数ありますが、各業者によって料金プランが異なります。
その中でも、一般的なプランと料金を紹介します。
1・個人散骨
2・合同散骨
3・代行散骨
1・個人散骨の内容と料金
まずは、『個人散骨』です。
『海洋散骨』は、船をチャーターして海を進み、散骨ポイントまで向かいます。
そして、散骨ポイントに着いたら、散骨を行う流れになっています。
『個人散骨』は、家族だけで船をチャーターし、『海洋散骨』を行います。
つまり、船を貸し切りにする訳です。
そのため、『個人散骨』は費用が高めに設定されています。
・20~30万円
が費用相場で、船の大きさによりますが、8~12名が乗ることができます。
2・合同散骨の内容と料金
次に、『合同散骨』です。
『合同散骨』は、個人散骨と違い、船が貸し切りではありません。
つまり、他の遺族と船に同乗します。
一般的には、人数が多いほど船も大きくなるため、比例して金額が上がる料金システムになっています。
相場としては、1家族2名乗船として、
・7~14万円
が、1家族当たりの費用金額になります。
3・代行散骨の内容と料金
最後に、『代行散骨』です。
文字通り、散骨を代行してもらいます。
『代行散骨』の場合、遺族は船に同乗しません。
船の見送りはできますが、全てを業者に任せることになります。
自分達の手で、遺骨を散骨できないデメリットがありますが、『海洋散骨』費用としては、もっとも安く『海洋散骨』ができます。
・3~5万円
が費用相場となっており、ゆうパックなどの郵送でも対応してくれます。
海洋散骨の予想費用
あくまでも予想費用ではありますが、『海洋散骨』に掛かる費用をだしておきましょう。
参考として、『粉骨』の費用を¥30,000として、オプション費用は除外しています。
・個人散骨 ⇨ 約35万円
・合同散骨 ⇨ 約16万円
・代行散骨 ⇨ 約8万円
この金額は、あくまでも予想です。
依頼する会社によっては、『粉骨』料金も含まれている場合もあり、金額が下がる可能性もあります。
『海洋散骨』を考えている人は、大まかな予算金額と捉えて、検討してみて下さい。
海洋散骨って自分でやってもいいの?
『大切な人の最後は自分達の手で』
『自分でやっていいなら、業者に頼まない』
なんて考えの人もいることでしょう。
結論から言います!!
自分でやっても問題ありません!!
『海洋散骨』は、法律に抵触しておらず、散骨を禁じる法律もありません。
ただし、先程述べたように、『粉骨』を2mm未満にしないと、
・死体遺棄罪
に該当してしまうので、『粉骨』次第では禁止とも言えます。
これは、凄くグレーゾーンな話ですが、土の中に埋めていないため、『散骨』は、埋葬扱いではないのです。
『埋葬法』では、墓地以外の区画に埋葬してはならない、という決まりがあります。
しかし、『散骨』は土の中に埋めてはいません。
つまり、土の中に埋葬していない限り、『散骨』は自分達でやっても問題はないということになるのです。
海洋散骨禁止の自治体もあるので要注意
確かに、『海洋散骨』は法律には違反していません。
しかし、自治体によっては、『海洋散骨』を禁止している所もあります。
まぁ、突然遺骨を撒かれたら、誰だって嫌ですからね。。。
『海洋散骨』業者に依頼するのが無難ですが、必ず自治体や周辺地域のルール、考え方を尊重して、慎重にことを進めて下さい。
海洋散骨のデメリット
故人の意思を尊重でき、費用も安い『海洋散骨』。
近年の墓守問題もあり、人気が出ている理由は分かります。
しかし、『海洋散骨』にもデメリットはあります。
そこで、考えられる『海洋散骨』のデメリットを解説していきます。
・二度と遺骨が戻らない
・お墓参りで手を合わせる場所がない
二度と遺骨が戻らない
『海洋散骨』は、粉骨した遺骨を、海に撒きます。
当然のことですが、遺骨は二度と戻りません。
突発的な考えや、お墓費用のことを優先しすぎて、『海洋散骨』を判断すると、
『やっぱりお墓を建てよう』
と考えた時、遺骨が戻ってこず、後悔することになります。
必ず、色々なケースを想定し、納得した上で『海洋散骨』を行うように気を付けましょう。
また、『分骨』という方法もありますので、検討してみましょう。
お墓参りで手を合わせる場所がない
日本の昔からの習わしである、お盆やお彼岸のお墓参り。
お墓に手を合わせ、お花を手向けて先祖を供養する。
そんな当たり前のことが、『海洋散骨』ではできません。
『海洋散骨』は、遺骨を粉骨し、海に撒きます。
そのため、故人の遺骨がどこにあるのかは分かりません。
故人を偲んで、供養のために手を合わせたとも、手を合わせる場所がないのです。
これは、『海洋散骨』の一番大きなデメリットです。
最後に
今回は、『海洋散骨』の内容や費用、起こりうるトラブルまで詳しく紹介しました。
人が亡くなるとお墓に納め、供養してあげるのが常識でした。
しかし、お墓の費用や『墓守』問題、個人の選択肢の広がりなどで、供養の形も変化しています。
そこで注目を集めているのが、『自然葬』です。
更に、その『自然葬』の中でも、憧れや故人の希望が強いのが『海洋散骨』だと言えるでしょう。
費用感はもちろん、『墓守』問題もクリアできる『海洋散骨』ですが、決まりはもちろん、デメリットもあります。
何となく『海洋散骨』を選ぶのではなく、必ずメリット・デメリットを比べた上で、後悔しない供養の形を考えてみて下さい。