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「イヤマフ」のこだわりで円形脱毛症発生?
長男のおじゃる。最重度の知的障害を伴う自閉症である。
とにかく、こだわりは天下一品である。
いったん、何かにこだわると、やめられない。
気になって、不安定になる。
でも、こだわりを手に入れたときは、安定したりする。
最近のこだわりは「イヤマフ」だった。
「イヤマフ」とは、ヘッドホンのような形をした、耳から入る音を和らげてくれるものである。
一般的に、聴覚過敏のある方には、とても有効なツールでもある。
おじゃるのような自閉症の人は、聴覚過敏な方が多い。
だから、使用している方も多い。
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その「イヤマフ」を、半年くらい前から使うようになった。
もともと小さいころから、両耳を手でふさぐようなしぐさがあったので、彼も嫌な音を感じていると思っていたので、その頃からイヤマフを用意していた。しかし、着けるとすぐに外し、「ポイ!」っと投げてしまうのだった。
そんな感じだったが、本当に半年ぐらい前から、その「イヤマフ」をつけるようになったのだ。きっかけは、不安定な時に、スッと耳に装着してあげたところに始まる。すると、小さいころと違い、すんなり受け入れてくれて、目を閉じ心が安定したのだ。
その日から、おじゃるは「イヤマフ」を着けるようになった。
ところが、これが「こだわり」になってゆく。
「イヤマフ」を、捜しまわるようになり、常に家で装着するようになる。
そして、ついには、「就寝中」も外せなくなった。
これは、完全な「こだわり」である。
これはマズいと思いながらも、装着中は安定しているので、ボクはついついそれを認めてしまっていた。
その結果。
円形脱毛症が、できてしまった。
お風呂の時に、シャンプー介助をしていて、一部分に髪の毛がなかったのでびっくりした。
そして、やはりずっと装着し続けた影響か、耳の中が湿っぽい。中耳炎になったら大変だと思った。
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おじゃるには悪いが、その日から「イヤマフ」を隠した。
すると、家じゅうを探し回り、不安定になるおじゃる。
でも、着けさせるわけにいかない。
そして、3日がたった。
今では、「イヤマフ」を捜さなくなった。
何だか、笑顔が多くなった。
自傷が少し減ったような気もする。
彼にとっては、聴覚過敏のツールを超えて、
「こだわり」になってたことがわかる。
円形脱毛症は、まだ治っていない。
ただ、それを見つけなかったら、今でも「イヤマフ」へのこだわりは続いていたことだろう。
その先には、耳に炎症を起こすことも考えられた。
「災い転じて、福となす」
何だか、そんな言葉が頭に浮かんだ。