「厳しい言葉」をかけてくれた方々に感謝
私が、長男(おじゃる)と歩んできた30年近い人生の中で、
とても厳しい言葉(助言)をいただいたことをがあります。
その言葉は、当時の私にとって、耳が痛く苦しくなるような内容でした。
しかし、いま思い返すと、そのことを助言してくれた方々には、感謝しかないのです。
今、その、言いづらいことを伝えてくださった方々のことを思うと、そのお気持ちを想像してしまいます。
たぶん、相当考えて、考えて、発言されたかと思います。
だからこそ、今「ありがとうございます」と、過去の方々に言いたくなるのです。
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息子がまだ3歳のころ、夫婦ともに働いておりました。
そのため、駅の近くの「ベビーセンター」に、日中預かってただいた期間がありました。
会社帰り、息子を迎えに行った際、そこの長の方から「お話ししたいことがある」と告げられました。
「息子さんを数か月みて見てきましたが、他のお子さんと比べて明らかに違う面があります。一度専門の機関に相談されてはいかがですか?」
というような内容だったと思います。
はっきり言って、ショックでした。そして、受け入れることができませんでした。
しかし、その言葉があったあと、地域の療育センターでの診断が下ります。
それを機に、母親は仕事を辞め、息子に注力するようになります。
結果的には、大きな負担を抱えさせてしまったために、おじゃるの産みの母親は今おりません。
それでも、あの時に言いづらい内容をしっかりと伝えてくれた、ベビーセンターの長の方に感謝したいのです。
私たちの今があるのは、あの時の言葉で、大きく舵を切ることができたからだと感じるのです。
また、息子が小学生の低学年ころ、シングルファーザーとして、私の父母の力を借りながら、当時の養護学校に通わせておりました。
その2年生の最後の面談で、先生から言われたのが、
「この先、息子さんはどんどん大きくなってゆきます。おじいちゃんおばあちゃんはどんどん歳を取られて、今の生活は続けられなくなると思います。お父さん、そろそろ息子さんの将来のことを考えてほしいです。」
ショックでした。
日々とにかく頑張って生きてきた私にとって、矢の刺さるような言葉でした。
この時も、その時の生活がずっと続くと、私の勘違いに気づかせてくれました。
それを機に、真剣に息子の将来を考え、その後9年にわたる平日離れた生活が始まります。
しかし、あの日先生がその厳しい現実を、言いにくい内容を私に伝えてくださらなかったら、
きっと、今の息子との生活はなかったと思います。
そうです。
今振り返ると、とても言いづらい、とても言いにくいことを、言ってくださった方々。
そういうことを言ってくださった方々がいたからこそ、今があります。
今はその方々にお会いできませんが、心から「ありがとうございます。」とお伝えしたいです。
そして、私たちも、今は逆の立場になりつつあります。
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一つだけ、幼稚園や保育園の先生方に、お願いしたいことがあります。
自分たちの園の児童に、明らかに違いを感じたら、勇気をもって保護者の方にお伝え願いたいのです。
今は、昔とは違い、早期療育ができる環境があります。
何年もの間、園の先生方の頑張りで、その時期を通り過ぎたとしても、
それは通過点に過ぎないのです。
療育は、早ければ早いほど効果があると考えます。
だからこそ、少しでも早く、保護者の方にお伝えください。
それは、勇気がいります。簡単ではありません。
でも、そのお子さんの、その家族の将来を考えたら、お伝え願いたい。
そして、園内で頑張らないでください。
先生方の頑張りは、必ずしもお子さんたちの未来を明るくするものではないことも、
心にとめておいてもらいたいのです。
厳しい言葉を伝えてくれる人は、真の意味で「恩人」だと、私は思うのです。
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