今年の2月。行政からこんなメールが届いた。
要は、①送迎を目的に常時運行する自動車のうち、②3列以上座席を有するものには、③ガイドラインに適合する安全装置の取り付けが義務化になる。
というものである。
さかのぼると、この安全装置の設置義務化に至るのには、こんな流れがあった。
2021年の夏、次のような送迎車内に児童置き去りにし、児童が亡くなるという過失事故が起きた。
また、2017年にはこんな事故もあった。
おそらく、上記の2件の死亡事故、そして、このところ頻繁に起きている死亡につながらない置き去り事例が発端となって、この義務化がすすめられたのであろう。
それにしても、この2つの死亡事故、不思議でしょうがないのである。
当事業所であれば、児童一人がいなくても、スタッフの誰かが気づかないことなど、ありえない話である。
まして、最近の方は、発見されたのが午後5時20分ごろ、2017年の事件は午後3時20分すぎである。
それまで、保育士や支援員が、誰一人として気づかない。
そんなことあり得るのであろうか?
その時点で、この保育園や障害者施設は、その事業を行う資質が欠落していると思うのだ。
話を戻そう。
これは、ハードでどうにかなる問題ではなく、ソフトの問題である。
つまり、いくら「置き去り防止を支援する安全装置」を設置しようと、そこで働く人間が、児童が一人いないことさえ気づけなければ、また起こる。
単純に、送迎車には、ドライバー + 添乗スタッフをつける、つまり大人が2人必ず乗車することを義務付ければ、確実にこの事故は起きない。
何のための税金投入?何のための装置?
恐らく、政府は対応したので、こちらに責任はない。という布石を打ちたいのだと思う。
ちなみにこの装置、エンジンを止めると、車内に児童がいないかの確認の音声が流れるようなものである。
これって、音声が鳴ろうと、確認しなければ置き去りになる。
結局、ソフトでしかない。
今日、うちの事業所の送迎車に、「置き去り防止を支援する安全装置」が取付いた。
今回取り入れたシステムは、
①エンジンを切る。
②音声で、後ろの座席に誰もいないか確認するメッセージが流れる。
③確認し、後部座席にある確認ボタンを押す。
というもの。
もし、この確認ボタンを押し忘れると、10分後に車外に緊急地震速報のような嫌なメロディと、”車内に人が乗っている”みたいなアナウンスが鳴り響く。
ちなみに、バッテリーが切れるまで、永遠に鳴り続けるそうである。
むしろ、こちらの苦情が多発する気がしてならないんだが…。