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今日は誕生日、58才になって思ったこと


今日で58才になりました。私がタッチングをしようと思ったのは、母のがんがきっかけです。いつの間にか20年も経っていました。


タッチングなんて知らなかった

母のがんの介護をしていた頃は、タッチングなんて知らなかったです。当時、日本にはアロマもろくに知られていなくて、タッチングはもちろんアロマトリートメントも知りませんでした。

母はマッサージが好きだったので、マッサージならできるかもと思い、やっていたんです。でも、マッサージだと「しんどい」と嫌がられるようになりました。それで揉むのではなく、撫でさするようになりました。

母に触るのが怖かった

撫でさすると、少しだけ母が楽になってくれるのを感じていました。でも、本当はとても怖かったんです。私が触ることで、母の病状が悪化したらどうしよう。そう思いながら、触っていました。後で分かったのですが、終末期のがん患者さんに触るのが怖いのは私だけではありませんでした。

緩和ケア病棟でのタッチング

コロナ前まで、私は緩和ケア病棟でがん患者さんにタッチングを提供していました。タッチングしていると、患者さんのご家族がじっと私がする事を見ています。なので、一緒にタッチングしませんか、というと「私が触ってもいいんですか」と言われるのです。昔の私と同じで、触ることが怖いという方に何人も出会いました。そうしたご家族が安心して使えるタッチングを作りたいと思ったのです。

マシュマロ・タッチからメディカル・タッチへ

マシュマロ・タッチは、最初はがん患者さんのためのタッチングとして作りました。そこからどんどん広がっています。

マシュマロ・タッチの受講生には、がん患者のご家族だけだなく、認知症のご家族もおられます。皆さん、家族に何かしたいと思っても、何をすれば良いか分からない。ネットを検索して、探して、ようやくマシュマロ・タッチを見つけた!と習いに来られています。

看護師向けのメディカル・タッチには、在宅や緩和ケアの看護師さんが習いに来られています。がんだけでなく認知症や脳血管障害、ALSなど多くの患者さんに使われています。

タッチングの本も2冊出しました

ありがたいことに、タッチングの本も2冊出すことができました。看護師さんむけの専門書「看護にいかす触れるケア」、がん患者家族のための「イラストでわかる!がんの痛みやつさをやわらげる家族ができる12の方法」です。

タッチングの判定機器も開発しました

タッチングが簡単にトレーニングできるタッチングを判定するトレーニング機器も開発しました。撫でるだけで、簡単にタッチングなのか○✖︎で判定する機器です。この機器は看護師さんの研修やメディカル・タッチ講座に導入しています。看護師さんに「簡単にタッチングが練習できる」と好評です。

母が、がんにならなければ、今の私はなかったと思います

母が、がんになったときは辛かったです。毎日、痛いという母に何もできませんでした。ときには、もうやめて、言わないでと言いたくなることもありました。あの頃、本当にしんどかったです。でも、あの日々があったから、今の私がいるのだと思います。

誕生日を迎えて、これからも患者さんのためのタッチングの活動を続けていきたいと思っています。



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