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情報:意思と意図を持つ[20240819]


皆さんお盆は如何だっただろうか?
テレビやラジオで「60kmの渋滞です」とか「45kmの渋滞で通過するには120分ほど掛かっています」とアナウンスがあったが、巻き込まれた方もいらっしゃるのでは。
今日から新たな気持ちで仕事に励んでおられる方も多いだろうと思う。
私は、大学出講のため明日から関西で1週間ほど東京には戻らない。(盆休みもなかったのだが)

さて、今週は「有用な情報は高価である」という先々週の話題の続きを少し。

明後日からの大学院での講義の最初に「情報とは何か?」について最初に話をするからだ。

何故、最初に「情報とは何か?」から始めるのか?

以前に東海大学専門職大学院で教鞭を執っている時に、○×△というテクノロジについての普及予測について「一般社団法人○×△テクノロジ推進協会」が発表した資料をレポートに貼り付け、右肩上がりに普及していきますと発表した学生がいたからだ。

この事例の何が良く無いのかここで説明はしないが、意外にこの手の情報には惑わされることは多い。

昨年も同様にこういう問題があるからと注意喚起をしたのだが、さすがに大学院生にもなれば修士論文作成するにあたり、担当の教員から厳しく指導されていて知っていた模様だった。

そこで、私は以下のような質問をした。

「老後資金として年金意外に平均するとおいくら足りないと言われているか知っていますか?」

ほぼ全員が「2000万円足りないと言われています」と回答し「そのお金を貯めるために一生懸命に働かねばならないと思っています」とご丁寧に添える学生までいた。

そして、私は更にこういう質問をした。

「その情報は何処から得ましたか?」

「麻生財務大臣が『公の場』で発表したのですよね」と時事問題に詳しそうな学生が元気よく答える。

「財務大臣が言うことは鵜呑みにして信じる価値がありますか?」と返すと…訝し気な顔をする。

「財務大臣が言うのだから間違い無いのではないか」
「政府が調査・研究して『公の場』で大臣のクチから発表したものに小西先生は文句でもあるのですか?」

とそんな顔だ。

年金行政を担当している官庁は何処か知っていますかと尋ねると、財務省ですよねと答えた。

当然間違いで、財務省ではなく厚生労働省の管轄である。

財務省と誤答した学生が言った。

「財務省が政府資金の元締めですから財務大臣が年金では足りないと言ったら足りないのですよね」
「小西先生は年金が貰えて良いですが、私たちには年金が支給されないのですよね」

麻生太郎財務大臣の失言により年金料すら支払ったことが無い学生まで「大間違い」をしている。

政府は信用出来るなどと考えていると騙されてしまうという話をしたかったのだが、年金は必ず支給されるとか多く支給して貰う為には長生きするのが一番だとかいう話までしてしまった。

結果的に、財務省大臣の発言は直ぐに取り消したとは言え「(財務省配下の金融機関にとって)最高の効果」を発揮した現象を垣間見たのである。

無料の情報は「意志」とか「意図」があって流布されることを忘れてはならない。

大学や大学院では、残念ながらここまでは教えていないようだ。

だからこそ、私は教えようと思う。

本当の情報は無料で入手可能なのか、本当の情報とは何か?

それを、常に考えてもらえるように教えるのだ。

皆さんにも、是非、常日頃から考えて頂きたいと思う。

合同会社タッチコア 小西一有

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