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さようなら、じゃなくて行ってきます
7月3日、朝イチの高速船にて港を出航し、私の海士町生活は終了しました。
初めに申し上げておきますと、今後TOUCAプログラムで海士町へ行かれる皆さんは、くれぐれも高速船ではなくフェリーで離島してください。紙テープが出来ないから。
「紙テープの数は人との繋がりの数なんだよ」
海士町へ来た頃にそのようなことを教えてくれた人がいました。時期はちょうど新年度の4月初め。少し遅れて離島する人たちのお見送りで、港が毎日カラフルだったことを覚えています。
島の人にとっては日常的な風景なのかもしれませんが、初めて紙テープのお別れを見た時にはなんだか不思議な気持ちになりました。
「別れ」って私のなかでは、もう少し瞬間的というか、あっさりしている感じがあったんです。
フェリーでのお別れって他のどんな移動方法よりもゆっくりなんですよね。徐々に小さくなっていくフェリーに向かって手を振っている時間。みんなきっとその人と過ごした思い出の時間を思い返しているのではないでしょうか。
見送られる方も、島でのあんなことやこんなことを思い返しているのではないでしょうか。海士町の魅力は本当に「人の温かさ」だと思っています。昨日一緒に乾杯しただけの私のために、朝から見送りに来てくれる人がいる。
お別れの言葉はさようなら、じゃなくて行ってきます。
紙テープ、出来なかったけど、心のテープが見えました。
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船が本土へ近づいていく。海の向こう側に、どこまでも陸がつながった山並みが見えてきた。信号機も横断歩道も久しぶり。
電車や新幹線に揺られながら次の目的地を目指します。コンビニもスーパーもあるんだな。島の不便さがちょっと懐かしい。
また0からのスタートか、、、そう思っていたら、私の前に御花にいた菅原くんが人との繋がりを残して行ってくれていました。バトンはしっかり受け取ったよ。
新しい3ヶ月の始まりです。