ー 金属腐食 ー【背景アーティストのための汚し大全】
金属腐食マスター目指して!
金属の腐食とは?
腐食の種類
金属の腐食の種類には、「乾食と湿食」の2種類があります。
高温ガスなどの気体を伴う「乾食」と、
土や水などの水分を伴う「湿食」です。
今回は主に、より身近な「湿食」にフォーカスします。
腐食(湿食)の形態2種
湿食の形態は大きく分けると、「全面腐食と局部腐食」の2種に分けられます。
(厳密にいうと、全面腐食の場合でも部分的には局部腐食は起きています。表面が一様にきれいな組成になっていたり、腐食条件が同じ訳ではないからです。)
全面腐食
金属の表面全体で均一に進行する腐食の形態です。
日常の街で全面腐食している金属を見かけたら、それは設計や製造段階、その後の運用の仕方に問題があった可能性が高いです。
局部腐食
金属の表面の局部に進行する腐食の形態です。そのまんまですね。
これには複数種類があり、次の項目でいくつか挙げてみました。
アセットやイラストに腐食の表現を入れると効果的になる箇所
傷ついた部分、床や台などの接地面(孔食、エロージョン、擦過摩耗)
腐食を発生させる付着物が防食被膜を破って付着した場合、その個所から浸食が起こって、広がります。
集中的に雨水などが落ちている場所や、ひっかき傷などに腐食表現を入れると良いかもしれません。
他にも、粉じん、排ガスなどが多い場所に剛材があれば、粒による摩耗によって防食被膜を破られ、腐食が始まります。防食材がはがれてしまった部分
接合部、金属の重なり合う部分(すき間腐食)
接合部、金属の重なり合う部分が優先的に腐食が始まります。すごく小さな隙間だとしても、外気とその隙間部分との酸素濃度差が出れば、腐食が始まります。
例えば、ボルトと板金の間や、溶接した部分などです。汚れや水分がたまりやすい凹の部分
素手で触れる箇所、容器の角、洗いにくい箇所、狭く入り組んだ箇所、ほこりや汚れがたまりやすい箇所、水分が長期的に付着する箇所などです。強引な力で金属が伸ばされた箇所
曲げ・絞り加工や、プレス加工などで、目に見えないようなヒビができている箇所は腐食しやすいです。違う金属同士が接触している部分(異種金属接触)
イオン化傾向がより大きな金属が、より小さな金属と水などがある環境で触れ合った場合、より小さいほうの腐食を促進してしまうというものです。
例えば、ステンレスのシンクに缶などを置いて水を流すと、数時間立てばさびが出ます。
もっと他にも種類あるみたいですが、今回はアートに使えるという視点でピックアップしてみました。
その他の錆び
もらい錆び
女性の方なら一度はあるだろう、ヘアピンを浴室に置き忘れて浴槽にヘアピンの錆跡がついてしまう、あれです。
デカールとかで、もらい錆びを表現してみてもストーリー性が出て面白そうですね。さび汁
壁面などに垂れたような錆びがある場合は、これかもしれません。
コンクリート中の鋼材が腐食して茶色や褐色の腐食生成物がコンクリート表面に滲み出たものです。壁面に取り付けた金具の錆びが下に流れたり、コンクリートがひび割れたところから錆びが漏れ出ている場合もあります。
錆びやすさ比べ
同じアセットでも、複数種類の金属が使用されていれば、錆びの進行度も違うかも…?
金属の錆びやすさはイオン化傾向の大きさによります。
大きければ錆びやすく、小さければ錆びにくいです。
身近な金属での錆びやすさランキングを上げてみたいと思います。
鉄(この中では一番錆びやすい!)
鉛
銅(ステンレスもここぐらい)
アルミニウム
(アルミはイオン化傾向が大きいですが、錆びにくいです!錆びる場合もありますが、白く錆びます)銀・金(ほぼ錆びない)
脳内整理タイム
今回出てきたキーワードを図で整理してみると、こんな感じです。
内容は以上です。是非参考にしてみてください!
ネットで見つけた錆び画像が上記のどれに当てはまるか考えるのも面白そうですね。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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