自然の命のリズムを聴く / color field #12
絵を描くとき、その対象を観察するのではなく、大きな全体の一部としてそこに参与してみたいなと思う。
だけどそんなとき、僕の中の格好つけたいという欲がジャマをしてくる。
ついつい、目でしっかりと見ようとしてしまう。
なるべく手をかけて描き込もうとしてしまう。
見栄っ張りとは、とても厄介なものだなあ。
そんなことしなくてもいいのにと頭で言ってあげたとしても、体が勝手に反応してしまって、格好つけてしまうんだから、情けない。
だから、少しずつ練習する。
目を閉じて、耳で聴き、指で触れ、心で感じてみる。
そうしてぽつぽつと生まれてきた、うねる色の流れを、なるべくありのままに載せていく。
それは、自然と踊ることのようだなと思う。
植物に話しかけるような行為だなと思う。
自分が自然の大きなリズムの一部分になるような感覚だなと思う。
そんな、踊りのような瞬間的な喜びの行為。
そうか、体を動かす瞬間が重なって写し取られた記録が、絵という形をとっているだけのことなんだ、と思った。
あぁ、こんなふうに絵を描いていられたらいいなあ。
こんなふうに大切な人たちといられたらいいなあ。
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