押印がなくなるということ

 ほんとうに押印=いわゆるはんこを押す(押さなければならない)ことがなくなるのかどうか?は、実際になってみないとわからないわけだけど。
 今盛んに注目されている「はんこ廃止」。正確に言うと、はんこを廃止するわけではないから、押印の義務や必要な書類を見直すということ。はんこがなくなるわけではない。そもそもはんこ文化といわれる慣習は欧米のサインにあたるものが「はんこ」であるといわれかたをするけれど、今回の話題になっているのは「行政機関が法令根拠もなく必要性もないハンコを強制することの廃止」であって、それにともなって、民間の会社がなんらかの形でそれに影響をうけるということなのだ(ろう)。実はここはよくわからない。
 もともと、話題に上ってきたのは「ハンコ」を押すためだけに出社しないといけないという企業文化だったりするわけで、それはアンチ・デジタルな社会を揶揄する、もしくは、批判する意見だったと思う。
 よくとれば、そういった押印行為が最終的には行政の強制行為につながっているともいえるのかもしれないが、民間相互や会社の中でおこなわれていることは結局慣習でしかないという話になり、行政行為とは関係ないようにも思う。
 ところが、日本はこの「行政が率先」してという文化が根強い。いわゆる「お上」文化と揶揄されるものである。
 行政がやれば民間もそれに「右にならえ」となるなんて、どこまで全体主義的なんだ?と思うし、それがこの社会の【よくわからない】規律性を生んでいるのもよくわかる。
 で、実際に行政が「法律に規定されていない押印の強制」が廃止されたときに、どんな風に変わっていくのだろうか。
 宅急便や郵便の受け取りの「はんこ」はなくなるのだろうか
 介護や福祉サービスの利用確認のハンコはなくなるのだろうか


実は私は、もうすでに個人のハンコを押印する機会が生活の中ではないのだ。
会社(法人)の中でも、いま、義務づけられている書類以外に押印する文化はない。そんな生活をしている人の方が多いのか、それとも日常的にやはり押印をし続けているのか、どうなのだろう。
 ハンコ廃止の話が拡がっても、客観的に、日常的にどのくらいの人が押印義務に悩んでいるのかを示されたアンケートなどをあまり見たことがない。(不勉強なのかもしれないが)
 この話も改革のための改革になりはしないか、ということも思わなくもない。ずっとそんなことに慣れさせられているからね。


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