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浜の焚火/小学生

 浜で泳ぐのは楽しい。
 だけど、北海道では寒すぎる。
 というわけで、海水浴に焚火は必需品。焚火をしないで泳いじゃダメ、と決まっている。
 焚火の薪は海岸に無尽蔵にあった。流木。
 流木、社長のおっちゃんとかは、拾って玄関に飾ってたけど、とっちゃんたちは惜しみなく燃やす。ウニ焼きは定番のオヤツ。

 さて、焚火のルール。
 4年生以上なら、自分(一人)で焚火を作っていい。
 危なくない場所を見定めて(大体毎回決まってるけどね)、流木を集めて火をつける。火燃しには白樺の皮なんかを使う。油があって燃えやすい。
 ナイフがあれば、流木を削って細いのにしてもいい。
 火が付いたら、太い木を井桁にする。風から守らないと消えてしまう。
 なるべく炎がないのがいい。派手に燃しても危ないだけだ。

 3年生までなら、3人いたら焚火ができる。
 仲間を誘って遊びに行く。
 1年生だって、3人いればOK。でも2人なら?兄ちゃんはチビたちに付き合って、焚火をやる。

 とっちゃんはたいてい海派だった。
 とっちゃんは小学生のとき、天候さえ許せば、毎日海に遊びに来て、焚火してたから、チビたちにとっては天国、子どもが留守で家の仕事がはかどる大人たちにとってもうれしいわけで。しかも、子どもたちはたいてい、獲物を下げてくるし。昆布だの海藻だの岩ノリだのウニだの貝だの。

 天気がよくなかったり、海流が悪いときは、先輩(4・5年生が多かったようだ、6年ともなると家の手伝いが忙しい)が見極める。川の傍はダメ、とか、いろいろ知識が必要だった。底海流が発生すると、いつもの海が危険になる。満潮・干潮、風向き、温度。年下の子は絶対危ない場所に行かさない。
 岩場に囲まれてプールみたいになっている場所が小さい子にはお勧めで、貝とか海藻が取れる場所もイイ感じ。
 焚火をしていて腹が減ったら、海でウニを採って焼いて食べた。
 大きなウニの中身を空にする。他のウニを修理して卵巣だけを最初に空にしたウニに詰め込む。焼く。これは食べるとき効率がいい。
 自分で捕ればタダだから、安くてあったかくて腹持ちがいい。

 ちなみに。
 とっちゃんは実は、1年生でも海に入りたかったから、一人のときも泳いでた。
 焚火は一人じゃダメだから、砂浜に体を擦り付けて暖を取った。寒かった!!!

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