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miktak
お盆
お盆に村に帰ると、お客さんがいっぱい来る。
まだ、おばあちゃんが生きていて、思い出話に花が咲く。
おばあちゃんは足が不自由で農作業はできない。おじいちゃんはとっちゃんのおとうさんが8歳の時に亡くなっていたから、村の共同作業には長男のとっちゃんが参加した。『本家のとっちゃん』と呼ばれて、かわいがられた、というが、想像できない。
とっちゃんのおとうさんの下には女の子と男の子がいて、3人兄弟。とっちゃんにはおばさんとおじさんになる。
で、とっちゃんが幼稚園の頃、家にいるようにしようとお菓子屋さんを始めた。こし餡が得意のおばあちゃんの菓子屋はなかなか繁盛したらしい。でも、こどもが欲しがるのに「だめ・だめ」というのが嫌で廃業したのだという。その後、タバコ屋を始めたという。
タバコ屋は手堅い商売で、子どもを育てるのにはよかったらしい。
おばあちゃんは進取の気性の持ち主で、不自由な足で隣町、その先の町まで行って(誰かしらの車に乗せてもらうことも)、新しい作物、おいしい菓子などの情報を集め、自分でも作っていたらしい。
たぶん、おばあちゃんが小児麻痺という病気にならなければ、そんなにも頑張らなかったかもしれない。人生はわからない。