『アンチヒーロー』最終回 | 日本の司法にはまだ木村佳乃がいた
吹石一恵という女神が失われたことに泣いた前回。
彼女を死なせないでくれ!
日本の司法は吹石一恵にかかってるんだよ!
彼女がこれからの日本の司法を支えるんだよ!
彼女の、何者にも負けない真っすぐな正義感が司法には必要なんだよ!!!
と叫んだ第9話。吹石一恵の死に、日本の司法はどうなってしまうのかと憂いていましたが、大丈夫でした。
日本の司法にはまだ、
木村佳乃がいました。
佳乃ぉーーーーー!!!
最初から仲間だったのかーーーーー!!!!
(「世界の果てまで行ってQ」の影響で佳乃呼び)
野村萬斎がディスクを足で踏みつけたあたりから、裏で萬斎怪しんでないかな、長谷川さん側に来てくれないかな、とは思ってたんですよ。
そしたら、なんとあの場所にいたっていうね。
吹石一恵が長谷川さんに緒方直人の冤罪の可能性について相談したあの時。
9話でそのシーン見た時、吹石一恵と長谷川さんの2人だったじゃないですか。
でもまさかの木村佳乃いました。
佳乃、いたのかーーー!!!
カメラの位置!!!!
カメラの位置で佳乃見えてないだけだった!
ずっと仲間だったの?!
え、そっから12年、長谷川さんと佳乃はずっと裏で誰にもバレないようにやってきたの?!!!
すげぇ。執念がすげぇ。
吹石一恵と長谷川さんと佳乃が同期という奇跡。
というか、同期が優秀!!!!!!
そして優子、仲間だったーーーーー!!!!
よかったーーーー!!!!
信じてたよ〜!!!!(と言いつつ、3割くらいは疑ってました)
裁判での長谷川さん、かっこよかったですね。
あなた被告人ですよね?というくらい長谷川劇場が繰り広げられておりました。
恐るべく捨て身の作戦。
自分のことなど、自分の地位のことなど、自分の今後のことなどどうでもいいと本心から思っていないとできない作戦に震えました。
大島優子は裏切っておらず、
木村佳乃は最初から長谷川さんの味方で、
瀬古判事も良心に従って会見し、
藤木直人も当時の様子を裁判で証言。
野村萬斎の顔が少しずつ歪み、取り乱していくのを、全国の『アンチヒーロー』ファンが狂喜して見ていたことでしょう。悪いことをした奴がコテンパンにされることの、なんとスカッとすることか……!
ただ、めちゃくちゃスカっとした爽快な中で、長谷川さんの静かな声が奥底で響きます。
「人は、人を裁くことが快感ですからねぇ」
そうなのです。耳の痛い話ですが、私たちは悪いことをした人には何かしら制裁が下ればいいと思っています。悪いことをしたんだから叩かれても、責められても仕方ないと思ってきます。
まるで自分が正義のヒーローにでもなったかのように相手を叩く。相手が有名であればあるほど、勝手に好感度を持っていた相手であればあるほど、人気者であればあるほど、その人がしたことを見逃さず、叩く。叩かれるのを見て喜ぶ。当事者でもないのに一緒に怒る。自分が何一つ悪いことなどしたことがないかのように、今後も絶対に何一つ悪いことをしないかのように叩く。一度の過ちも許さず、その人が笑顔でいることに苛立ちを隠せない。
それは、正しいことなのか?
野村萬斎に語り掛けつつ、多くの視聴者に語り掛けたであろうラストでした。
それにしても、北村匠海くん、長谷川さんを無罪にしてくれるんですね。有罪の男を無罪にした罪はなかなかでかいと思いますが、可能なのでしょうか?
ちょっと前までまだまだ若造感があって心許なかったですが、一皮剥けたというやつですかね。
岩田くんが殺した相手が嫌な奴で、岩田くんは本当に反省していて、長谷川さんに協力した後は自首しようと考えているような男だったのでなんとなく長谷川さんに肩入れしたくなりますが、岩田くんが平気で殺人をするような人間だったら大問題でしたよね。
まぁそこは長谷川さんも岩田くんの人間性をちゃんと見抜いていたということだとは思ってます。
手段を選ばず冤罪を晴らすために動いてきた長谷川さんと、
正統法で萬斎に近づき、冤罪を晴らすために働いてきた佳乃。
どちらが欠けても萬斎を追い詰めることはできなかったと思いますし、長谷川さんは自分を犠牲にしてまで本当によく頑張ったと思うのですが、やはり真っ直ぐな木村佳乃の存在には救われました。
権力のそばにいても権力になびかず、自分の意思と誇りを持って動いてきた佳乃がいることで、ドラマの後味も格段に良くなった気がします。
吹石一恵がいなくなっても日本の司法には木村佳乃がいる、と希望が持てました。
佳乃、これからも日本の司法を頼む。
おしまい。
ちなみに次のクールの日曜劇場は『ブラックペアン シーズン2』。
シーズン1を見ていないので、久しぶりに日曜劇場はお休みする予定です。
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