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8/31(土)再放送 | 特集ドラマ『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』


はじめに言います。

8/31(土)に再放送あります!!!
是非見てください!!!


ということで、NHKの回し者でも、ドラマ関係者でもなんでもないんですけど、再放送があると知ったので全力で告知しておきます。

NHKで8/15(木)終戦記念日に放送された特集ドラマ『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』。


右手では始終ハンドスピナーを回しながら(子供が遊んでた奴がテーブルの上に置きっぱなしになってて、やり始めたらとまらなくなりました)、ティッシュで何度も涙を抑えて、こちらのドラマを視聴しました。


あらすじはこちら。

小沢拓人(中須翔真)はスケボーが大好きな小学6年生。ある日、いつも遊んでいる公園がスケボー禁止になり、友人2人と近くの神社でスケボーをすることに。そこで、神社の管理人をしている81歳の田中喜市(岸部一徳)と出会う。スケボーに興味を持った田中は試しに乗ろうとするが、転んでしまい右手を骨折。拓人の母親・尚美(木村多江)は、田中の右手のギプスが取れるまで、拓人たち3人で身の回りの世話をするように言う。
拓人たちは田中の部屋に通い出し、拓人たちと田中は自然と仲良くなっていく。
ある日、拓人は田中の部屋で自分と同い年くらいの少年が写った写真を見つける。写真について拓人が田中に尋ねると、それは昔の自分の写真だと言い、当時この地域で空襲に見舞われたということを話し始める。

(公式サイトより一部抜粋)

画面の空気が変わってしまうほどの存在感を持つ岸部さんと、子供たちの中でも飛び抜けて目を引く中須くん。
ドラマの設定は81歳と11歳。歳の差なんと70歳の友情と戦争の話です。


戦争で両親、兄、妹を失い、11歳でひとりぼっちになってしまった田中さん(岸部一徳)。
拓人たちが住む町にも爆弾が落ち、そこで母親と妹を亡くしたという田中さんの話を聞いて、これまで知識として知っていただけの「戦争」を、初めてリアルに感じる拓人。

終戦後、田中さんは訳あって今の神社の管理人となり、境内にある小さな家で、結婚をすることもなく、ずっとひとりで暮らしてきました。
田中さんの人生に言葉を失う拓人ですが、田中さんは「自分は恵まれてる」「みんなによくしてもらって幸せだ」などと穏やかに話します。

田中さんのことを何も知らないのに陰で悪口を言う町の人に憤る拓人。田中さんのことをみんなに知って欲しい考えた拓人は、田中さんに戦争の語り部をしてほしいと学校での講演会を企画します。



この、スケボー好きの現代の少年が、田中さんと交流することで、田中さんを通して「戦争」を知る、というストーリーがいいです。


戦争をテーマにした特別ドラマと言うと当時を舞台にしたドラマを想像しますが、この物語の舞台は現代。
少年は私たちと同じように、戦争について教科書で勉強して知ってはいるものの、遠い昔話、自分とは切り離されたところにあるもの、と思っています。

それが、田中さんのことを好きになり、「友達」になることで、拓人や私たちは、「田中さん」の、「友達」の話として戦争を捉えることができるのです。

ずっと1人で生きてきた田中さんと拓人の友情は清々しく、爽やかで、だからこそ田中さんが経験した戦争が辛く、重く感じます。


8月15日に放送する意義のある、笑って泣けて、優しい気持ちにもなれる、良質なドラマでした。
しかもこちら、1時間13分というとても見やすい尺なんです。


昔は民放でも終戦記念日あたりに特別企画として戦争をテーマにした特別ドラマを放送していましたが、最近は見ないですよね。
テレビ業界も厳しいので、制作費用の割に視聴率が取れないため制作できないのかもしれません。

わかります。「戦争」と言われてしまうとどうしても心が重くなり、ちょっと目を背けたい気持ちになります。私もなかなか、戦争に関するドキュメンタリーや歴史の番組を見る機会はありません。

だから、こういうドラマが必要なんじゃないかと思います。
映画のように、映画館に行ってお金を払って見るのは腰が重い人も、テレビでやっているから見てみようと思う。つまらなかったら見るのをやめてもいいから、ちょっと見てみようと思う。
そうだ、今日は8月15日だったと気づく。
経験したことない戦争を、ドラマの主人公たちを通して見て、泣く。こんな辛い時代が確かにあったんだと知る。やはり戦争は繰り返してはいけないと思う。
けれど今も、世界のどこかで、こんな戦争が起こっているのだと改めて気づく。どうにか戦争を止めることはできないのかと考える。祈る。

人は自分が体験したことしか理解できない生き物だと常々思っています。
知識として知っていても、理解できない。
私は自分が生理痛を経験するまで部活を休んでる友達を大げさだと思っていたし、妊娠悪阻を経験するまでつわりなんてご飯を炊いた匂いにうっとなるだけですぐ終わるものだと思っていたし、子供が産まれて時短勤務を経験するまで時短勤務は楽だと思っていました。
もちろん、生理痛が重い人がいることも、つわりが重い人がいることも、時短勤務でもその後いろいろやらなきゃいけないだろうということも知っていたのに、それでもやっぱり理解できていなかった。
全部、自分が経験して初めて理解できたのです。

だからこそ、抽象的な誰かの話、ではなく自分が身近に感じられる誰かを通して理解するしかないのかなと思います。
私は、夏に再放送されていた映画『火垂るの墓』を見ることで、特別企画として放送されていたドラマ『さとうきび畑の唄』を見ることで、教科書で勉強したそれについて少しだけ理解し、教科書に載っていた「歴史」を少しだけ身近なものとして捉えることができた気がします。(家にテレビが1台しかなかったので、父親が見るものを見るしかなかったという環境も関係していたかもしれませんが……)

でも今はほとんど民放での放送もなく、
そもそもテレビ離れが進み、
YouTubeやOTTが主流になり、
家族みんなで同じものを見るという機会も減り、
これからみんなどうやって触れていくのかなと思っていました。


NHKがちゃんとやってくれてます!!!
8/31(土)16:40〜という、とんでもなく微妙な時間からのスタートなのでご注意ください。

あの「バンザーイ!!!」の威力……


NHKオンデマンドに加入してる方って少なそうですし(決めつけてすみません)、この先なんかのOTTのラインナップ見てて偶然出会う、なんてことあまりないかと思います。



最後にもう一回言っておきますね。


8/31(土)に再放送あります!!!
『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』



おしまい。


岸部一徳さんが出演してるだけで、これいいドラマなんじゃ感ありますよね。

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