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【今はまだ絵のない絵本3】「あめにふれる」

あめが ふっている
ぼくは あめがすきだ
でも ぬれるのは
いやだ


だって さむけがして
かぜを こじらせてしまうかもしれない


じつは
いえのなかでも あめのおとや
かんしょくを かんじることができる


たとえば おふろに
はいっているとき


ぼくらは あたたかいあめに
ふれることができる
それは ほどよくぼくらを
つつんでくれる
はだに あたる かんしょくは
ここちよい


じゃあ なんで あめに
あたりたくないのか
たまには あめに
うたれてもいいんじゃないか


このきもちを おさえきれず
ぼくは あるひ とうとう
あめに ふられに でかけた


ざーざーと
あめは まちをぬらし
まちを にびいろにかえていた


あめは つめたく
ぼくの はだに つよくあたる


さいしょは きもちいいな
とおもっていたが
だんだんと からだが
ひえていき


ぼくは くっしゅんとくしゃみをひとつ


きゅうに
あしたのことが しんぱいに
なって ぼくは いそいで かえった
いえにかえると
あたたかい あめにうたれて
からだを あったかくして
すぐにねむった


ゆめのなかで
つめたいあめと あたたかいあめは
はなしを していた
なんできみは あいされて
ぼくはそうじゃないんだろう


たしかに きみは
そうおもわれることがおおいけど
ほんとうにそうなのかい?
ぼくは いえのなかでしか いきられない
だけど きみはもっと
おおきな やくにたつよね?


ひとがのむ みずになったり
たはたを うるおしたり
みんな きみがいなければ
いきてはいけない
ぼくは とてもわかりやすいけれど
きみのは わかりにくいだけなんだよ


でもみんなをきみはささえているんだよ
だから、なにもしんぱいしないで
いつものように あめをふらせて


いまのなやみは けっきょく
ちいさいものなんだよ


だいじょうぶ だいじょうぶ
なやむひつようはないんだよ


そっか そういうことか


めをさますと まどのそとは まぶしくて
しっかりと はれていた


さいきん あめは ふらないけれど
きょうもどこかで つめたいあめは
ひとのせいかつのために みずをふらせ
せいかつをゆたかにしているんだろうな
とぼくはおもった

おわり

最後までお読みいただきありがとうございます。

次回もどうぞお楽しみに!

tottoto編集部

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