雛鳥プロジェクト体験談④ 石井 日奈子さん
雛鳥プロジェクト体験談
石井 日奈子(IT企業勤務)
参加地域 鳥取市用瀬町
〇自己紹介と参加応募のきっかけ
はじめまして、雛鳥プロジェクト参加者の石井日奈子です。
今回のプロジェクトの滞在記に入る前に少しだけ自己紹介させていただきます。
普段は、都内のIT企業で営業として働いています。
大学時代から「地方創生」に関心があり、大学を1年間休学して北海道・宮城・瀬戸内エリアなどで住み込みでボランティアやインターンを行ってきました。社会人になってからも地域に関わりを持ちたい、との思いを持ちつつ、その想いの実現方法に悩んでいるところでした。(それが副業なのか、移住なのか、関係人口を目指すのか、など)
今回の雛鳥プロジェクトの応募を見たのはInstagramの広告。
鳥取自体に1度も足を踏み入れたことがなく、かつ社会人になってからはなかなかまとまった時間が取れず、地方系のプログラムとは疎遠になっていました。
今でも基本的に勤務は在宅で、人との関係が希薄になっている感覚があったので、地域で密接な人間関係を体感してみたいとの想いと、こういった機会がないと鳥取に自分から行く機会もなさそうだな・・・(なんせ東京から行きにくいし)という思いがあり、プロジェクトに応募、参加しました。
〇雛鳥プロジェクトでの鳥取滞在記
1日目はほぼ移動で終わり、2日目から本格的にプログラムがスタートしました。
2日目
今回のプロジェクトでは2チームに別れて活動を行ったのですが、私は「用瀬町」チームに加わりました。用瀬チームの活動の1番の目玉が、「わらしべ長者」。
私たち参加者が事前に用意したお菓子を街のひとのいらないものと交換していき、最終的にそれが何に化けるのかを楽しむものです‼︎
私たちが最初用意したのは市販のお菓子だったのですが、
それがキウイやぬいぐるみや、モバイルバッテリーや、タンブラーなどなど、どんどんいろんなものに化けて行く‼︎最終的にはこんな感じで大豊作です。
正直このわらしべ長者体験をする前は「誰かちゃんと交換してくれる人いるのかな、と半信半疑だったのですが、みなさん交換するものを事前に用意しておいてくれて、家のまえやまちで出待ちしていてくれたようで、心があったかくなりました笑
夜は、住民の方のご厚意で、囲炉裏を囲んでお鍋をいただきました。
鳥取といえば、らっきょう、梨とかのイメージだったのですが、蟹も有名だそうで。
カニの出汁がたっぷりのお鍋を食べたのですが、鳥取の寒い冬にぴったり、体の芯まで染み渡る上品で濃厚な味でした(これ書いていたらまた食べたくなってきました)
日本酒もたくさんの種類があって、振る舞っていただけました。私はお酒が弱くてあんまり飲めず残念でした。笑
3日目
午後から道の駅で報告会があったので、午前はそのためのパワポ作りに追われていました。
実質1日と少ししか滞在していない中で、自分の感じたことをまとめるのは難しかったですが、短い期間で感じたことを頭の中からすくい上げ、整理することで自分の思考がクリアになっていったので、アウトプットの機会として貴重な場だったと感じています。
用瀬の人に対して「なんかいいな」と思う気持ちはどこから来るのか、それを自分の中で分解していたときに、「見返りのない優しさ」なのかなと感じました。
どこからきたのかもわからない都心の若者に対してそもそも興味を持ってくれて、優しく話しかけてくれるだけでなく、ご飯を振る舞ってくれたり、物をくれたり。
普段は社会で時間や数字に追われるような厳しい世界で、自分も負けないようにと気張って働いている分、その人と人との距離感が心地よく、心が温まりました。
地域のことを対して知らない人が大層なことは言えないとは思いますが、用瀬の「よそ者を受け入れる文化」はずば抜けて高いと思います。今まで色んな地域に足を運んだからこそそう思います。地域に関心がある若者は、体感として周りにいるので、地域に関心がある若者と、地域に若者にきてほしい住民の方(掃除話し相手、イベントの手伝いなど)を気軽にマッチングできる場を作り、気軽に学生と住民の方が交流できたら双方にとって良いのかな、と感じました。
4日目
最終日は早朝に鳥取砂丘に連れていってもらったのですが、視界いっぱいに広がる砂丘と、ピンクと淡い青が混ざり合った優しい色の空が広がっていて、そのスケールの大きさに自然と歓声が漏れました。
ただ、いかんせん砂丘は風が強く、気温も低く、長くは滞在できませんでした笑
東京に帰ってきてからも、忙しない日々の中で、ふと鳥取のことを思い出したりします。
普段は小さな自分の部屋でPCと格闘しながら仕事を毎日ですが、思い返して温かい気持ちになれるような場所を見つけられて本当によかったです。
主催いただいたの皆様、受け入れてくれた地域の皆様、同じ参加者のみなさん。
「帰る場所」を見つける機会を下さってありがとうございました。